お笑い芸人がもてるワケ


一日に50回ぐらいメールするかも(眞鍋かをり談)


チッキィショ〜(小梅太夫風にね)である。また一人、美女をお笑い芸人にかっさわれてしまった。眞鍋かをりといえばブログの女王である。横浜国立大学を出た才媛でもある。好みの丸顔系別嬪さんである。スタイルだって抜群である。


なのにお相手は、またもやお笑い系。しかも明らかに彼女の方がべた惚れであるというではないか。由々しき事態である。いやこれはすでに危機的状況であると断言しても決して過言ではないだろう。このまま放置しておけばやがては日本の「知的」な美女たちはすべて、お笑い芸人にかっさらわれてしまいかねない。そんなことでよいのかぁ〜!


と一人で興奮しても仕方がないのだけれど。ここは少し冷静に考えてみたい。「なぜ、お笑い芸人ばかりがモテるのか」、これがテーマである。


ここで想像をたくましくしてみるに、仮に相手がいくら眞鍋かをりちゃんだったとしても一日に50回もメールを送られてきたらどうだろうか。そんなうらやましいとか、なんと贅沢なと思う一方で、それってかなりうざくね、と考えないでもない。何しろ一日50通ですよ。起きてる時間が仮に15時間として、時間あたり平均3通。それが延々と続く。幸か不幸か実際にそんな目に遇ったことはないので、空想で答えるしかないけれども、正直なところちょっと面倒かもと思う。


でも、お笑い芸人ならそんなメールに当意即妙、ちょっと洒落っ気を効かせた返信で応えることなんざきっと、ちょちょいのちょいってなものだろう。なぜなら、そういうことをするための職業的訓練をきっちりと受けてきているわけですからね、彼らは。


ここで思いっきり飛躍をするなら、お笑い芸人こそはコミュニケーションの達人である、と言い切れるのではないか。たとえば漫才である。舞台の上で相方と噛み合って話をできないようでは、お客さんを笑わせることなどまったく不可能である。


噛み合った話をするとは、どういうことか。相手の話をきちんと聞き、流行りの言葉で言えば「空気もきちんと読んだ」上で、ボケたりツッコミを入れたりするわけだ。「ただおもしろ話をすればいいんだろ、そんなの簡単じゃん」では、決してない。


そんな自己中レベルでは客は笑ってくれないのである。客が笑うのは、まずカチッとはまったコミュニケーションが展開されていて、その中で時に急にガクッと外れた展開が起こったり、妙な間ができたりするから「ありゃりゃ」と予期せぬバランス崩しを受けて大笑いとなるわけだ。漫才のおもしろさとは、本来はここにある。だからオリラジがおもしろいのは、あのアクションや独特の言い回しではなく、そこで語られているコンテンツの妙さ加減にある(それ故に、コンテンツにかげりが出てくると急に面白くなくなるのも道理ではある)。


コンテンツの妙さは普段からいかにネタを仕込んでいるか、つまりはまじめに勉強しているかに尽きる。どこかのインタビューで読んだけれど、かの天才北野武でさえ、漫才をやっているときは毎晩3時間、たとえ飲みに行った後でもシャワーを浴びて頭をすっきりさせ、一人でネタ帳にせっせとアイデアを書き込んでいたという。それぐらいインプットをしっかりやっておかないと、そうはおもしろいネタを次から次へとアウトプットしてくることは難しいわけだ。


ということはだ、それなりに売れている芸人さんはたいていの場合、そうやってコミュニケーション能力をきちんと磨いてきていることになる。そんな相手にちゃんと話を聞いてもらって、しかも時折はちょっとうれしくなるようなほめ言葉を織り込んでもらって自意識を心地よくくすぐられ、はたまた時にはお茶目なセリフとかで笑わせてもらえるなら、これは相当に癒しとなるのは明らかというもの。


まことにストレスフルな芸能界で生き抜いている女性たちにとっては、お笑い芸人との会話こそはまさに、砂漠で出会ったオアシスのごとく感じられてもむべなるかなである。もとよりお笑い芸人は気配りの人でもある。この世界はいまどきの世の中では珍しく先輩後輩の礼儀作法が厳しく躾けられもする。そんな中で上へと抜け出して行く人たちは、人間的にもそれなりの修養を自然と積むことになるのだろう。当然やさしく包容力もあるはずだ。


諺に曰く「美人は三日で飽きるけれど、ブスは三日で馴れる」と。これは女性サイドから男性を見定める場合にも当てはまる格言であろう。しかも最近の若手お笑い芸人は、不細工ではあるがなんとなしに人を引きつける魅力のある人もいれば、そもそも今どき風それなりにカッコいい人もままいる。


だから、会話をきちんと楽しみたい(楽しめる)ちょっとクレバー系の美女ほどお笑い芸人さんに魅かれていくという構造ができあがっているのではないだろうか。もし30年ほど前にこの真理に気付いておれば、職業選択リストのトップに「お笑い芸人」を加えていたものを。誠に「後悔先に立たず」である。



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