恐るべし!学士会館

atutake2007-07-12



シングル一泊8600円朝食付き


趣きは写真の通り。写真には映っていないが、右手奥のコーナーにきちんと仕事のできる机がある。広さだけでみればたぶん3万クラスのシティホテル並みの部屋だ。学士会館である。


場所は神田の神保町。まあ東京のど真ん中付近といえるだろう。地下鉄の出口を出て1分である。もちろんシティホテルのようなラグジュアリー感はない。内装も質素というか飾り気がないというか。ベッドも質実剛健タイプ(って言葉がピッタリだ)、風呂なんかはたぶん後付けでユニットバスを設置したのだろう、普通に洗うスペースがある(要するに普通のお家のお風呂ということですね)。しかし天井が高くて、とてもゆったり感がある。その上、恐らくは建物がしっかり造られいるのだろう(昭和3年建築)、上下左右の部屋の音などまったくしない。静かである。


が、これが何とも居心地が良いのだ。


そりゃ一泊3万クラスのホテルなら確かに快適だ。が、なんか落ち着かないのも事実だ。だって普段の生活空間とあまりにも何もかもが違いすぎるから。もちろんそういうホテルには非日常性を求めて行くわけで、それが日常的なスペースだったら、わざわざ高いお金を払う値打ちはない。だから、それでいいのだけれど。


では逆に1万ちょいぐらいのビジネス系のホテルはどうか。これがどうにもしょぼいのである。まず部屋が狭い。ベッドの脇にちょろっと空きスペースがあって、そこにイスを押し込んで何とか仕事ができるといった案配。ここでは基本的に寝ることしか考えられていない。


通常のビジネスマンなら部屋に戻ってまで仕事をすることはあまりないだろうからそれでもいいのだろうが、こちらは部屋でこそ仕事をするのである。だから、良いホテルだとなんか気分が浮ついて仕事に集中できないし、ビジネスホテルだとせせこましくて仕事する気にならないし(あれ! どっちに転んでも仕事できないってことか)。


と考えてみると、この学士会館は最高である。しかも安い。この安さで朝食付きである。この朝食がまた素晴らしい。注文が通ってから焼いた魚、みそ汁だってちゃんとダシが取れている。かぼちゃの炊いたんにサラダ(ドレッシングは自家製だ、たぶん)。そしてでっかい梅干しに納豆、焼き海苔までついている。食事が出てくる前にヨーグルトとオレンジジュースがサーブされ、食後にはコーヒー付きである。


朝食会場は天井高3メートルはある優雅な空間で、窓際からは白山通りが見えている。これも高級ホテルなら3000円ぐらいは取られるボリューム感と質感である。その朝食込みで8600円。


これは値打ちがある。


そもそも学士会館なるものを知ったのは、内田先生のブログを読んでのこと。先生がどうも定宿にされているらしいから、これはきっと良いところに違いないと踏んで泊まってみて大正解だった。ただし、この学士会館を利用できるのは学士会会員(家族を含む)もしくは会員からの紹介者だけらしい。誰でもが泊まれたりしたら、たぶんいつも満室になってしまうだろう。


京都大学を卒業して「得したなあ」と思ったことは、卒業後24年間を通してほとんどなかったが、この学士会館との出会いだけはすごく得した気分になれた。ただ一つだけ難点を挙げれば、なぜかMacユーザーのみが部屋からインターネット接続をできないこと。これさえ改善されれば100%パーフェクトである。


そうそう4階には囲碁室と撞球室がある。ここをのぞいてみてぶったまげた。いかにも昔風のどっしりしたビリヤード台が6台あるのだが、何とこれがすべて四つ玉の台である。ちゃらちゃらしたポケットビリヤードの台など一つもないのだ。そして壁際にはいかにも高級そうなプライベートキューがびっしりと並んでいる。


学士会館、恐るべしである。



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