子どもが成長する現場


先週末の土日、恒例の夏合宿が行なわれた


少年部26名に、指導員が6名。今回は幼稚園の年中さん、年長さんがいる。一方で上は小学校6年生まで。ということで、行く前には幼稚園の子どもが稽古について来れるだろうかとか、お風呂や夜寝るときの世話はどうしたら良いのだ、といったことを心配していた。


が結果的には、そうした心配はまったくの杞憂に終わった。もちろんその影には、子どもたちの世話を一生懸命見てくれた女性指導員の献身的な働きがあってのことである。


加えて強く印象に残ったのが小学校高学年の子が年下の子の世話をしていたこと。たまたま夜中の4時前にトイレに行くと、彼が小さい子を連れてきていた。夜中におしっこをしたくなったけれども一人で行くのは恐いので付いてきてほしいと頼まれたそうだ。


あるいは自由時間にみんなでドッジボールをしているときにも彼は、自分が取ったボールを時折、なかなかボールを回してもらえない小さな子に投げさせてやっていた。たぶん、これまでの合宿でもそんなふうに年上の子どもが年下の子どもの世話を何くれとなくしてくれていたのだと思う。


ただこれまでの合宿では女性指導員が比較的来てくれていたり、あるいは合宿参加者に中学生の女の子がいてくれたおかげで、自分が気付かなかったのだろう。たまたま、今回はそうした女の子が少なかったから、自分としてもいつもより子どもたちのことを見ていて気がついたというわけだ。


合宿というのは、子どもたちにとっては相当な非日常的時間/空間である。日頃、道場で顔を合わせているとはいえ、それはせいぜい週に二回、二時間程度のこと。空手の仲間と一日中、それこそ風呂はもちろんトイレの付き添いまですることはまずない。そうやって子どもたちだけで過ごす機会は学校行事でもなくはないが、学校との決定的な違いとしていろんな年の子が参加していることがある。


よく言われることだけれど、最近の子どもは同年代の友だちとしか遊ばない。というか遊ぶ機会がまずない。私の子ども時代(40年ぐらい前の話だけれど)のように、近所の子どもが公園なんかにとりあえず集まって、大っきい子も小ちゃい子も一緒になって缶蹴りしたりカクレンボしたり、鬼ごっこしたりということはまずない。


そういう意味でも幼稚園児から小学校6年生の子どもまで集まる合宿は、なかなか非日常的で貴重な場である。


貴重な体験で成長するのは、年下の子を世話する子どもだけじゃない。世話をされる方の小ちゃい組さんたちも、合宿ではめちゃくちゃ背伸びをしなければならない。もちろん幼稚園児や小学校低学年の子にはそれなりの配慮はするとはいえ、合宿は基本的に団体行動である。少なくともごはんは一人で食べなきゃならないし、稽古の時は自分でがんばるしかない。


たぶん彼らにとっては、外で一人でごはんを食べることが初体験なら、お母さん、お父さんのいないところでたった一人で稽古をがんばったのも初めてのことだろう。そうした初体験を二日間ぐらいの短い間にぎゅ〜っと凝縮していくつもしていくことによって、幼い子どもほど成長するんじゃないだろうか。


そうやって子どもの表情が、合宿へ行く前と合宿から帰ってきた後で何となく違うような気がする。気のせいだとはわかっているのだけれど、そんなふうに思えることがとてもうれしい。




昨日のI/O

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昨日の稽古:富雄中学校武道場

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