選挙に行こう&行った
自民党が惨敗した
この参院選挙をキッカケにいろんなことが動き始めている。赤城農相が更迭されたこともその一つ、そしてこの更迭人事は見事なまでに安倍首相の能力の限界を露呈した。選挙前に安倍さんが何といって赤城氏をかばっていたかを、ぜひ皆さん思い出していただきたい。
「農相は法に従ってきちんとやられている。従って、何の問題もないと考えている」と安倍首相は言い続けてきたはずだ。それが選挙で大敗するやいなや手のひらを返すように、その敗因を一手に赤城農相に押し付けるようなやり方で更迭。これで安倍首相はとりあえず敗戦の戦犯を処理されたつもりなのかもしれないが、みんな、そんなことでたぶらかされるほどばかじゃない。むしろ安倍首相には鳥瞰的な視点が相当に欠けていらっしゃることが丸バレになっている。
そこで思考実験である。
もし、仮に今回の参院選挙で自民党がここまでこっぴどく負けていなかったらどうなっていたか。安倍首相は選挙中に、こんなことも言っている。「今回の選挙は、私(安倍)か小沢さんか、どちらが日本の首相にふさわしいかを選ぶ選挙でもあるんです」と。この訴えかけに対してとりあえず投票に行った人の多くがNOを突きつけたわけだ。やれやれである。
ということは、万が一安倍さんが「選挙では私が信任された」と受け止めかねないような結果が出ていれば、一体どうなっていたのかという問題である。
当然、赤城農相が更迭されることはなかっただろう。ということは政治資金に関する規制法の見直しも当然ない。加えて安倍首相が一気呵成に進めようとしていた、たとえば憲法改正だとかのタカ派的動きも加速されることになっただろう。
もちろんなかには財政改革など、首相が安倍さんであれ次の自民党総裁であれ、あるいは民主党の小沢氏だとしても間髪をおかずに進めるべき政策もある。温暖化対応や食料、エネルギー自給の問題なども一刻の猶予もないものばかりだ。これは次に誰がリーダーとなったとしても早急に進めていただきたい。
が、安倍氏が勝っていたら、どう考えても日本はまずい方向に進むんじゃないかと多くの人が感じたのだと思う。今回の選挙で印象に残ったのは、いわゆるアルファブロガーと言われる人の中に「選挙に行こう、投票しよう」と呼びかける人が結構目についたこと。
そうした動きが実際の投票にどれだけ結びついたのかは知らない。しかし、ブログは今や世論の一部ぐらいを動かす力を持ち始めていると思う。そのことにブログを書く人、読む人が気付いたのではないだろうか。つまりブログが世の中を変える力の源の一つにはなる、ということを。
もちろんこの流れはまだまだ緩やかなもので、世の中の表面にまではでてきていないのだけれど、しかし明らかに不可逆的な流れとなっているように思う。
仮に選挙の投票を、わざわざ投票所まで出向くことなくネットで電子投票ができるようになれば、さらに私たちの政治に対する意識は劇的に変わっていくだろう。神田敏昌氏だって、きっと当選できたんじゃないんだろうか。
もちろん、それぐらいのことはいくら自民党の方々の頭が固いとはいえ重々ご承知のはずである。だからネット投票まで一足飛びにはなかなか進まないだろうけれど、でもブログを書くこと、読むこと、そして行動することで私たちが世の中を少しでも変えられることがわかったという意味で、今回の選挙はかなりエポックメイキングな出来事だったように思う。
もう十年ぐらい後に「そうそう2007年の参議院選挙で、ブロガー達がいろいろ書き出したのが、日本を変えるキッカケだったよね」と振り返るような形で。
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