ちょっと変わった小学生


お盆なので、ちょっとお気楽親バカ話


今年の連休から、息子にビリヤードを教えている。たまたま泊まったホテルに玉撞き台があり、ちょっとやってみるかと誘うと乗ってきた。もちろん最初はお話しにならないレベルである。が、親が(私のことですね)何ごとも基本を大切にするタイプなので、ブリッジ(左手でキューを支える所です)、キューの握り方、スタンスの取り方、全体的な構え方をきっちり教えた。


すると、一発玉ならそこそこ入るようになった。入ると面白いのがビリヤードである。旅から戻って近所の玉撞き屋さんに行き、実家を訪ねてはまた近くのビリヤード場をのぞき、といった案配で短期集中練習をしたのがよかったのだろう。あっという間にうまくなった。


それ以来、塾と空手の稽古の合間を縫って、近くの玉撞き屋さんに通っている。一通り基本をたたき込んであるから、どこの玉撞き屋さんに行ってもフォームがしっかりしているとほめてもらえる。玉撞きのポイント「イロハのイ」はブリッジである。まずはスタンダードブリッジをしっかり作る。子どもゆえに指が小さいから小指をしっかりと台に付けるのが難しいけれど、とりあえずキューがぐらつかないブリッジを作れれば合格だ(→ http://www.norausagi.lovelove.jp/billiard/Lesson/Lesson1.html)。


そして顔の位置。キューが顎の下を通り、正面から見るとちょうど両目の真ん中を通っていれば合格である。さらに肘。肩から肘がまっすぐ上に上がり、横から見て肘を支点として手首がぶれずにキューを出せるようになれば、あとは練習あるのみだ。


最初は的玉を狙うのではなく、手玉(白い球のことです)を撞いて、クッションに当たってまっすぐ戻ってくるようになるまで練習する。これは手玉の真ん中を正確に撞く練習だ。ど真ん中をきちんと撞けていないと、クッションにぶつかってはね返るときに球が右か左に必ずそれる。これでキュー出しの訓練をしたら、今度は的玉と手玉をコーナーまで一直線に置いて入れる。ここまでは熱中してやれば二日ぐらいでマスターできる。


ただし、そこから先が難しい。なぜなら実際のゲームでは、手玉・的玉・ポケットが一直線になることは滅多にないから。つまり的玉とポケットを結んだ直線と、手玉と的玉を結んだ直線が的玉で交わるのだけれど、そこに必ず角度が付く。その角度を見切って撞かなければならない。角度を見切るためにはイメージボールを使う。要するにポケットまで一直線に的玉を動かすには、どこに手玉を当てればいいかを想像するわけだ。


これもひたすら練習である。いろんな角度に的玉を置いてみて、その前にイメージボールを実際の球を使って置いてみせてやり、それから手玉を撞かせる。ここでイメージボールを想定できて、しかも思った通りに撞けて入るとハマる。これがビリヤードの麻薬的魅力第一段階だ。


ここまでくると、こちらがハンディを出してやれば一応ゲームが成立する。たとえばローテーションなら30−90とか、40−80ぐらい。アメリカンナインなら7セットマッチで5−2ぐらい。ジャパニーズナインならオールボールハンディぐらい。で、やってきて遂に最近は、これぐらいのハンディだと五分五分の勝負になるレベルまで腕を上げてきた。子どもの伸びシロ、吸収力はすごいなあと感心するばかりだ。


このハンディで勝ったり負けたりの相手となると、こっちも真剣にならざるを得ない。つまりビリヤードを本気で楽しめる。真剣に球を撞くなんて、もう十年以上やっていなかったのに、もしかしたら今、息子とやっているときがこれまででいちばん気合いが入ってるかもしれない。


二十代後半から三十代初めにかけてもっとものめり込んでいたときには、そこそこの賭けをしていた。この一球を外したら○○○○円みたいなゲームもあった。が、いま賭けているのは父親の威信である。負けて悔しがるようでは論外、勝ち負けにこだわらないような態度を取るのも逃げているようでよくない。ここは一番、真剣に勝負しながらも、父親としての余裕を見せたいところなのだが、それを許さないレベルにまで息子の腕が上がってきている。恐るべしである。


何ごとにも飽きっぽい性格なので、いつまで続くかという問題はある。しかし、もしできるならばの話ではあるが、ビリヤードでセミプロ級の腕を持ち、空手では黒帯を締め、その上でそれなりの中学校に合格させてやりたい。


小学校を卒業する時点で、とりあえずこの三つぐらいをできるようにしてやれば、そこそこには変わった子として認められるだろう。そうなればまずは第一段階の子育て合格、などと勝手に思っている。



昨日のI/O

In:
『仕事は楽しいかね/デイル・ドーテン』
Out:
某ソフト開発物語
クルーズ旅行パンフレット・デザイン
井出亜理京都大学教授インタビューメモ

メルマガ最新号よりのマーケティングヒント

「コンベヤをなくせ」
http://blog.mag2.com/m/log/0000190025/
よろしければ、こちらも。

□InsightNow最新エントリー
 「営業はスピンしよう」
http://www.insightnow.jp/article/364

FPN最新エントリー
 「十代にとってのケータイ」
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=2571
 ※週間人気トップ2にランクされています。

昨日の稽古:

・レッシュ式腹筋・腕立て