iPod、iPhoneの次に出るもの


110×61.8×8 vs 115×61×11.6


まったく同じサイズかと思ったら、微妙に違った。iPodタッチとiPhoneである。なぜ同じサイズかと思ったかといえば、もし同サイズなら同じ金型を使える。ということは一気に量産効果が出る。だからアメリカでiPhoneを値下げしたのかと考えたわけだ。


だがとりあえずiPodタッチとiPhoneは同じサイズではないことがわかった。もちろんアップルだって同じサイズに収めればコスト削減効果があることなど先刻ご承知のはず。それができなかったということは、そのサイズに何らかの必然性があったということだろう。


であるなら、次に登場することが予想される『iPc』に対する期待がやはり膨らむというものだ。


『iPc』とは何か。次にアップルが出してくる製品だと勝手に想像(もしかしたら妄想かもしれないけれど)している「ユビキタス・パーソナル・コンピュータ」である。ずっと前のエントリーでも書いたけれど、そもそもiPodは立派にコンピューターである(→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20051209)。


本当はいろんなことに使えるのだけれど、とりあえずはその用途を主に音楽用に限定しているだけだ。そしてほぼ2年前に予想した通り(というか誰でもわかる筋書きだけれど)、iPodに通信機能がついたデバイスをアップルは出してきた。これがiPhoneである。


そして今度は、ほとんどiPhoneにそっくりなiPodを出した。なんかまわりくどいことをアップルはやっているなと思うけれど、この次に出てくる製品こそが大本命ではないんだろうか。その製品のネーミングを大胆にも予想すると『iPc』ではないかと考えたのだ。


そしてiPhoneiPodタッチのサイズが微妙に違う(=必然性のあるサイズとなっている)のならば、iPcのサイズもまたそのマシンが果たすべき機能に基づいた必然性のあるものとなっているはずだ。


ではiPcの果たす機能とは何か。すでに普及している言葉でいえば「ユビキタス・コンピューティング」だと思う。いつでも、どこでもネットワークにつながり、さまざまなコミュニケーションをサポートする。イメージとしてはケータイとモバイルPCのはざまを埋めるようなポジショニングである。


もちろんiPodタッチの機能はすべて網羅する。iPhoneの機能も揃えている。そこにプラスして、もしかしたらビジネス系のコミュニケーションに必要な機能も付け加えられている可能性が高いと思う。だからiWorkなんかもサクサク使える。インプットデバイスとしては、凡庸な想像力ではかつてのモバイルギアのようなキーボードしか思い浮かばないが、もしかしたらまったく画期的なタッチ式キーボードがついているかもしれない。もしメカニカルタイプではなく、タッチ式のフルキーボードを出すメーカーがあるとしたらアップルこそがそれにふさわしいはずだ。


と考えてみると、超小型のパーソナルコンピュータを製品化するだけの力がアップルにはすでに十分にある。だがユビキタスコンピューティングを実現するためには、もう一つ大きな課題がある。無線ネットワークの整備である。


技術的にはWiMAXがすでに実証レベルに入ろうとしている。これが完成すれば、1台のアンテナで半径50kmぐらいのエリアをカバーし、最大で70Mbpsぐらいの通信が可能になる。このWiMAXが普及すれば、どこからでも無線でブロードバンドにつながることが可能になる。


そして無線で高速ブロードバンドにつながることの快適さを、とりあえずアップルはスタバと組んでユーザーに体感させる戦術に出た。今のところアメリカだけでの展開のようだが、10月からiPodタッチなどをもったユーザーがスタバに入ると、自動的にネットの配信サービスにつながるようになるという。


今のところつながる先は「iTunes Wi-Fi Music Store」らしいけれど、つなげるネットワークさえ確保してしまえば、つながる先などはインターネットがある。だからiPodタッチにはSafariが標準でセットされているのだろう。このiPodタッチ&スタバでの無線『自動』接続サービスでアップルがユーザーに体感させたいのは、言うまでもなくユビキタス・コンピューティング体験だ。


いつでも、どこでも、何も意識することなくネットとつながっている感覚、その便利さ。これはiPodという小型・軽量で、携帯することがカッコいいデバイスだからこそ実感できる楽しさではないか。その楽しさの虜になった人たちに対して満を持してプレゼンテーションされるアップルの次世代製品、それが『iPc』だと予想する。


ビジネス系からのケータイ&モバイルPCの中間サイズ版アプローチの行き着く先がスマートフォンだとすれば、エンターテイメント(&コミュニケーション)系からの同じアプローチをしているのがアップルで、スマートフォンに相当する製品が『iPc』になるのだと思う。


その登場時期は来年のアメリカでのCESあたりではと踏んでいるのだが、さてどうなるだろうか。ポイントはWiMAXの普及度合いとなるはずだ。できることなら『iPc』は全世界同時発売となってもらいたいと切に願う。



昨日のI/O

In:
シドニー2/村上春樹
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「壁ぎわに注目せよ」
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昨日の稽古:

・ジョギング