子どもにネットをどう使わせるか


ほぼ毎日使う:約75%


マイクロソフトが小中学生を対象としたネット利用の実態調査をした結果である(日経産業新聞2007年10月17日付け)。これが親の意識とは実に大きな差がある。半数以上の親は、子どもがネットを使っていていもせいぜい2〜3日に一回程度と考えている。ところが実際には約4分の3ぐらいの子どもが毎日ネットを使っているわけだ。


しかも

ネットで知り合ったが会ったことのない友達とメールをやり取りする子供は31%。ブログやチャットでは面識のない大人とやりとりする子供がほぼ3人に1人いた。
(前掲紙)


つい先日も長崎の女の子が、大阪の若い男とブログのコメント欄を通じて知り合いになり、誘拐されて(なのか家出なのかはまだわからないが)大阪の男の家にいるところを保護された。


実は私も小学校5年生の女の子のブログをRSSリーダーで読んでいる。彼女が日記を書くとできるだけコメントを付けるようにしている。しかも彼女とはだいたい週に一回、40分ぐらいの間を密室で二人っきりで過ごしている。ホントである。


といっても、ややこしい関係ではありませんよ。彼女は幼稚園の頃からずっと勉強を見ている寺子屋のメンバーの一人で、ブログに興味を持っていたのではてなダイアリーを教えてあげたのだ。そこでせっかく書くのだから、エントリーしたらコメントを付けてあげるねと約束した次第。二人っきりで過ごすというのは寺子屋メンバーが小学生に上がったころから、一人ひとりに合わせて勉強するために指導方法を変えたからで、決してやましいことはしていませんので誤解のないように。


ついでにいえば、うちの息子も一時は熱心にブログを書いていた。しかも彼の場合は自分が日記を書くと必ず、二人いる愛読者のおじさん達にケータイーメールで案内を出していた。読んでくださる方々にははた迷惑な話だったと父親としては謝るしかないのだけれど、皆さん必ず何かコメントを残してくれていた。のどかと言えばそうである。ネットを使ったこういうあたたかなコミュニケーションもあり得るのだ。


しかし時にネットは子どもたちにも牙をむくことがある。いや、ネットのダークサイドは相手を選ばない。仮に何らかの形で、どこかに自分のメルアドを記せば、膨大な量のスパムが舞い込むことになる。つい先日のエントリーでメーラーGmailに変えたと書いたが、その最大の理由はスパム対策である。これがだいたい毎日200から300ぐらい送りつけられる。うざいことこの上なく、スパムの嵐の中に大切な仕事メールがまぎれ込んでしまうこともある。個人事業者にとっては業務妨害とさえ言っていいぐらいだ。


もちろん、スパムはすべて速攻削除である。だがしかし、もしも子どもたちに対して言葉巧みなスパムが送りつけられたらどうだろうか。子どもたちが欲しがるゲームソフト、カードゲーム、アクセサリーなどをエサにぶら下げられれば釣られてしまう子どももいないとは限らない。何しろクリック一つで相手は、子どもをアリ地獄へ引きずり込む手管を持っているのだ。免疫のない子どもなどひとたまりもなく取り込まれてしまうこともあるだろう。


だからといって子どもにネットを使わせない、というのもどうか。選択肢としてはありかもしれないが現実的ではないと考える。それは幼いうちからネットリテラシーを養っておいた方が有利だなどという功利主義によるものではない。ネットはもはや水や電気と同じインフラである。インフラというのはそれなしでは生きていくことができないものだ。従ってネットを使うとか使わないとかいう選択肢そのものが、少なくともこれから先数十年の間はあり得ないと思うからだ。


であるならネットの使い方もいちいち意識しないで使えるレベルにはマスターさせておいてやることが必要だと思う。


そのときネットにはとてつもなく広大なダークサイドがあること、そこは犯罪の温床ともなっていること、さらにひどい場合にはサイバーテロさえ起こりうる世界であることなどをも子どもの成長段階に合わせてきっちりと学ばせてやる。それぐらいの気構えが親としては必要ではないのだろうか。


もちろん子どもがまだ小さい間(たぶん中学生になるまでぐらい)は、フィルタリングソフトなどを使って、いわゆる有害サイトへはそもそもアクセスできないようにしてしまうことも一案だろう。そしてこれだけネットが所与のものとなってきているのだから、ネットのメリット/デメリットやネットに潜むリスクなどもどこかの時点できっちりと学校で教育することも考えていただく必要があると思う。


昨日のI/O

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