55点ルールの使い方


トヨタでは臨界値を55点に設定している


何のことかといえば、ソフト開発である。トヨタがソフト開発とは違和感があるかもしれない。しかし今のクルマはコンピューターの塊みたいなものだ。たとえばレクサスには一台あたり百個の小型コンピューターが積まれている。それに書き込まれているコードは700万行にもなり、これは平均的な地方銀行の勘定系システムに相当するという(日本経済新聞2007年11月1日付け)。


ということは、その百個のコンピューターに書き込まれているコードのどこかにバグがあると、何かの拍子にコンピューターがフリーズする恐れがある。結果的には原因不明でクルマが止まってしまうリスクにつながる可能性もある(たぶんないだろうけれど)。


そこでトヨタが採用しているのが「55点ルール」だ。これで外注したソフトの上がりの品質をチェックする。

採点の対象は誤字脱字のたぐいの単純ミス。その数があるレベルを超えると、その裏に重大な欠陥が隠れている恐れが急速に高まる。トヨタは膨大なデータを分析し、その境目が百点満点の五十五点であることを突き止めた(前掲紙)。


55点とはえらく低いように思う。けれども決して理想的な目標値の話をしているのではなく、限界リスクの設定だからこれで良いのだろう。逆にこの値が70点などとなると、オーバースペックとなり効率性が著しく下がるのではないだろうか。


誤字脱字の単純ミスといえば、たぶんこのブログでも多々ある。過去のエントリーを読み返してみると「何じゃ、これは」的なケアレスミスが確かにある。お恥ずかしい話だ。


この「55点ルール」を原稿を書く仕事に当てはめてみるとどうなるのだろうか。もちろん誤字・脱字があるのは論外だ。少なくとも何がしかの対価をいただく原稿に関しては、誤字・脱字の類いはゼロレベルでなければならない。百歩譲ってフォーナイン(=99.99%)クラスが基準値となるだろう。


では、55点は意味がないのか。そんなこともないと思う。世の中にはいろんな書き手(プロのという意味ですね)がいらっしゃるのだから、その中での偏差値55を自分の最低レベルに設定すればよいのではないだろうか。といっても、もちろんライターの偏差値をどこかの団体が出してくれるわけはないので、これは自分なりに基準値を決めるしかないけれど。


たとえば論旨のわかりやすさ、根拠の確かさ、比喩の的確さなどの内容レベルに関する評点がある。さらにはレトリックや用語の使い方、音感の良さなども考慮に入れるべきだろう。コピーライター的には「小学生でもわかるように書け」というのが鉄則だ。とはいえ狙っている読者によっては、厳かな漢語をたくさん使って格調高い文章にせよ、なんてオファーが来ることも考えられる。


というようなチェックリストを自分で作れば良いわけだ。なるほど。で、このブログは一体、何点ぐらいが付くのだろう。



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