ドコモ&Googleの影響


ドコモがGoogleと業務提携した


Googleとの提携はauの方が先立ったけれども、ドコモも巻き返しに出るようだ。何しろ

ドコモの夏野剛執行役員は「あらゆるサービスで提携した」と強調。(日経産業新聞2008年1月25日付22面)

している。力の入れ具合も相当なものではないか。


その第一弾として早速やってくれたのが、YouTubeのドコモ携帯対応だ。ケータイ専用のサイトにアクセスするだけで、YouTubeのほぼすべての動画を見ることができるという。これははっきり言ってうらやましい。私の持っているauのケータイでも見れはしないかとアクセスしてみたが、ダメだった。残念。


ケータイでワンセグなどテレビを見たいとは思ないけれども、YouTubeを見ることができたら結構良いかもしれない。とまあ、ここまでユーザーサイドの感想だけれど、企業サイドからこの話を考えるとどうなるか。仮にケータイでYouTubeを見れるとなれば、これは強力なプロモーションツールになるのではないか。


つまりケータイメールで何らかのお知らせを送り、そこに見てほしいプロモーションビデオのURLを埋め込んでおけば良いわけだ。飲食店なら本日のスペシャルメニューをちょっとした動画(といってもケータイビデオで十分だろう)でお知らせするとか、あるいはスーパーが本日のオススメお肉(とかお魚とか何でも良いけれど)をお料理方法ビデオ付きでお知らせするとか。これってすごく使い勝手がよく、しかも超・低コスト(というかノーコスト)のプロモーションツールになるんじゃないだろうか。


ケータイを使った動画プロモーションができることで広がる可能性はかなりでかいと思う。


また、ドコモとGoogleの提携がPC検索の勢力図を大きく変える可能性もあるんじゃないだろうか。なぜか日本だけは未だにYahoo!が強いけれども、ケータイでGoogleに慣れてしまい、そっちの方が使いやすいということになれば、いずれはPCでもGoogleのシェアが高まっていくかもしれない。


また、これで公式サイトであることのメリットがさらに弱まるのではないか。今回の提携によりドコモでもGoogle検索を自由に使えることになる。ということは当然、公式サイト以外の一般サイト、PC向けのサイトを検索できることになる。ただ公式サイトだからというだけでは、アクセスしてもらえなくなるサイトがこれから増えて行くだろう。


となるとGoogleとの提携はドコモにとっては大きな賭けのように思える。すなわちドコモはある決断をしたのだとも読める。


日本の独特なケータイシステムを作り上げ、引っ張ってきたドコモが大きな方針転換をした。その理由はなぜかと類推すると、GoogleAppleの関係がキーとして浮かび上がってくる。つまりドコモはiPhone導入をいよいよ本格決定した。これは従来の日本のケータイビジネスモデルからのパラダイムシフトである。今回のGoogleとの提携はそのための第一歩であると。


今回のドコモとGoogleの提携は、それぐらいインパクトのあるイベントとして認識すべきではないだろうか。分野は異なるとはいえ、圧倒的なシェアナンバーワン同士の提携である。これから、大きな変化が起こるのはほぼ間違いないと思う。



昨日のI/O

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