どこまでブログは増えるか


総数1300万件


昨年11月時点での日本のブログ数らしい(日本経済新聞2008年1月27日付1面)。単純計算でいくと、だいたい10人に1人の割合でブログを書いていることになる。しかも、少なくとも去年の11月時点では前年同月比約5割増、増え続けていることになる。


読者も増えているそうだ。

サイバーエージェントの「アメーバブログ」は、07年11月の閲覧数が前年同月比約三倍の22億回に達した
(前掲紙)


以前「日本人はなぜブログが好きなのか」というエントリーで(→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20070715/1184473857)、日本人はそもそも日記が好きなのではないかと考えた。日本のブログはたぶん日記的なものが多いと思ったからだ。そして振り返れば日本には昔からたくさんの日記文学があったことをその一例とした。


ただ、もう少し考えてみると単に日記を書くことが好きなだけで、日本人の10人に1人がブログを書いていることを説明するのは無理があるような気がする。というか、おそらく日記とブログは本質的にはまったく異質なものである。


異質な点は双方向性にある。ブログは双方向メディアである。例外はあるけれども、たいていのブログがコメントやトラックバックを受け付ける。だから書き手は、自分の書いた内容に対する反応をかなりリアルタイムに受けとることができる。はてなで書いているとブックマークされた記事については「はてぶ」でいろんなショートメッセージが書き込まれることもある。


自分のとんでもない勘違いに基づいて書かれた記事や、意図を誤解された記事に対しては辛辣なコメントが寄せられて、それらを読むと落ち込むことはあるのだけれど、たまにほめてもらったりするとそれがうれしくて、また書こうという気になる。


あるいはmixiの日記なんかは、もろに身辺雑記系の日記が多い。それを読んだ知り合いがちゃちゃっとコメントを付けてくれる。これってけっこううれしいものだ。何というか、ネット上の世界ではあるけれども「自分を誰かがきちんと受け止めてくれもらっている」感があるとでもいえばいいか。あるいは面と向かって会うことはなかなかできなくても、誰かとちゃんとつながっていることを確認できる安心感といえばいいか。


コメントがつかず、ブックマークされなくとも毎日、何人かが自分の書いたものを読みに来てくれていることが、もしかしたら自分の一部となっているようにも思う。自分の一部というのは微妙な言い方だけれども、誰かが自分のブログを読んでくれることで得られる、この社会とつながっている感覚があるから、自分がいまこうして生きている、ぐらいの意味だ(ちょっと大げさかもしれないけれど)。


自分としてはブログを書くことで確実に変わったことが一つある。それは毎日、とにかくネタを探すようになったこと。基本的に身辺雑記じゃないものを書こうと考えているので、ネタが必要になる。そのためにいくつかのカテゴリーを設定して、それにひっかけられそうなことがないかと考えながら新聞を読んだり、外に出たときはいろいろ鵜の目鷹の目で物事を観察するようになった。


そうした習慣をつけることが何らかのメリットにつながっているかと言えば、もしかしたら物事を見たり考えたりする習慣が(ブログを書いていなかった頃よりも)ついた、ぐらいのことは言えそうだ。


もちろん、私のように考えてブログを書いている人もいれば、そうじゃない人もいる。いろんな人が、いろんな動機で書いているのだろう。誰がどんなキッカケや動機で、どんなブログを書いているのか。そういう調査をすれば、日本のブログ文化論みたいなテーマで何か書けるんじゃないだろうか。そういうのって、おもしろいと思うんだけれど。


とりあえず今日で48歳になりました。これで、これまで生きてきた人生のうちで働いていなかった年数と、働いている年数がようやく釣り合いました。そのことに大した意味はないのかもしれないけれど、とりあえず働いている年数というのは自分で(家族の協力を得ながら)何とか食っている年数というわけですね。親に食べさせてもらっていた歳月の長さを考えたり、これからの自分や家族ほかまわりで支えてくれている人のことを考えたりしました。





昨日のI/O

In:
『疲れすぎて眠れぬ夜のために』内田樹
Out:


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□InsightNow最新エントリー
「あのディズニーが負けた。なぜ?」
http://www.insightnow.jp/article/918

昨日の稽古:西部生涯スポーツセンター

・基本稽古(組手立ちからの受け、受けからの後ろ蹴り)
・ミット稽古(逆突き・肘打ち三連発)