天職に就くには


いまの仕事を天職と感じてない人が8割


求人広告アイデムが行なった調査によれば次のような結果が出たという。

「現在の仕事が天職だといえるか」の質問に「いえる」と答えた人は22.9%にとどまり、残りの77.1%は「いえない」と回答した。
「天職と聞いてどのような言葉を思い浮かべるか」への回答(複数可)で最多だったのは「能力発揮」の60%、以下、「生きがい」「充実感」「やりがい」と続いた。「天職についてどう考えるか」の問いには「天職は誰にでもあるが必ずしも出会えない」との回答が最多の73.9%を占めた(日経産業新聞2月29日付け)


ことほど左様に天職と巡り会うことは難しいのだろう。では、いま自分自身がやっている仕事を天職といえるかどうか。これまたなかなか即答し難い質問だ。そもそも天職とは一体何なのかがわかっていない。上記調査によれば天職はまず第一に能力を発揮できる仕事であり、続いて生きがいを感じる仕事、充実感のある仕事と考えられているようだ。


ちなみに広辞苑ではつぎのように説明されている。
1.天から命ぜられた職
 ー天子が国家を統治する職務
 ーその人の天性に最も合った職業
2.遊女の階級の一。


ここでは一応、その人の天性に最も合った職業としておこう。それでも「天性」なる言葉が引っ掛かる。天性とは、同じく広辞苑に「天から受けた性質。うまれつき。天資」などとある。ということは自分が与えられた性質に最も合っていて、それ故に恐らくは最も能力を発揮できる仕事を天職と考えて差し支えないだろう。


しかし、一体どうすればそんな仕事と巡り会えるのだろうか。そこがさっぱりわからない。いま自分がやっている仕事(ものすごく大まかに表現するなら『書くこと』となる)が天職かと問われれば、「その通り」と断言する自信はない。なぜなら、書けば書くほど自分の下手さが身にしみてわかるからだ。自分では決して「うまい」と思えない仕事を、果たして天から受けた性質などといえるのか。そこのところが大いに疑問である。


ただ、うまい下手を別にすれば、書くことがいくつかある自分にできることの一つであり、かつ好きなことであり、さらには楽しいことであるのは間違いないように思う。もちろん「単にできること」と「上手にできること」の間には、千里の隔たりがあるわけだけれど。ともかく、せっかくお一人様として誰の指図も受けずに仕事をしているのだから、自分としては別の評価軸を持ち込んででも、自分のやっていることを正当化したい。


たとえば『楽しさ×対価』マトリクスで考えてみればどうか。


言うまでもなく理想は「楽しい&対価も多い」仕事であり、最悪なのは「つまらない&対価が少ない」仕事だろう。楽しくて対価も多い仕事、そんなものが果たしてこの世の中にあるのかどうか。もしかしたら売れているミュージシャンなどがこのマトリクスに当てはまるのかもしれない。あるいはギャル曽根なども、対価は十分ではないのかもしれないが一応、このタイプなんじゃないだろうか。


難しいのが、理想の次をどう考えるかだ。ここでは二つの選択肢がある。すなわち「楽しいbut対価は少ない」「つまらないbut対価は多い」。現実問題としては多くの人が、この二者択一を迫られることになる。結論から言えば、どちらを選んでも正解である。なぜなら、これこそがまさに価値観、人生観、仕事観に関わる問題だからだ。


ただ、私は次のように考え、少なくとも「楽しいこと」を優先してきた。楽しいことは、楽しくないことよりも長く続けることができる。長く続けていれば、どんなことでも必ず少しずつうまくなる。うまくなるということは、それが人の役に立つ確率も高くなる。より人の役に立てるようになれば、結果的に対価も、ごくわずかずつかもしれないけれど、きっと増えて行く。


こうやって文章に書き出してみると、我ながらなんとおめでたい考え方でえあることよと思ってしまう。でも50歳が目の前に迫って来て、残りの人生の少なさを意識するようになると、できるなら楽しいことをやっていたい。そのためにお一人様を選んだのだともいえる。


今やっていることが天職なのかどうか。そんなことは、もしかしたらどうでもいいことなのかもしれない。ありきたりないい方にしかならないが一生懸命に生きることが、天職を探すことに通じるのだと思う。一生かかっても天職を見つけられない人もいるのだろうし、逆に死ぬまでにいくつもの天職と出会う人もいるだろう。ただ、一つだけはっきりしているのは、探し求めない限り天職と出会うことは絶対にない、ということだ。


お一人様仕事術、その伍
『お一人様は、続けられる仕事を選ぶべし』


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