メガネ屋さんへの不満


メガネを買った


たぶん5年ぶりぐらいのことだ。この前買ったメガネは「99.99(フォーナインと読む)」ブランドでめっちゃ高かった。それなりのかけ心地ではあったのだが、いかんせんこの5年でまた視力が衰えてしまった。免許更新で視力検査をした際に、0.7がギリギリだったのだ(正直なところ、0.7でさえちゃんと見えていたとはいえないレベルである)。


これはいかんのである。特にクルマを運転するときに、ちゃんと見えていないのは非常に危険である。だからメガネを買わなければいけないとこの一ヶ月ぐらい悶々と悩んでいたのだ。


何を悩んでいたかといえば、どこで買うか、である。以前買った「99.99」ブランドは確かに悪くないが、高いのである。しかも家の近くには扱っている店がなく、奈良からならわざわざ心斎橋まで出向かなくてはならない。ちょっとネジが緩んだとか、鼻アテが歪んだとかで直してもらうのもいちいち大阪まで行くのは不便である。


バーチャルメガネショップもあるが(→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20070820/1187596314)強度のチカメ&乱視であるために、視力検定をきちんと合わせてくれるところじゃないと不安でもある。悩んだ末に近くの大手チェーンに行くことにした。息子がこの店でメガネ修理をしてもらい、そのときの対応に好感を受けたことがこの店を選んだ理由だ。


結果的には、ここで新調したのだが、購買に至るプロセスには不満が残った。とはいえレンズ合わせまでは、何も問題はなかったのだ。説明はしっかりしているし、レンズもこちらの目の状況を考えて、いろいろと試させてくれる。レンズを変えることによるメリット/デメリットについても懇切丁寧に教えてくれる。さすがにきちんとしたチェーンだと感心していたのだが、さて。


ことがフレーム選びのステップに入ると、これがまったくダメである。何がダメなのかといえば、フレーム選びに関してのサポートがまったくないのだ。フレームを選ぶ基準はおそらく人により、いろんなものさしがあるはずだ。フレームの形、材質、色などの「その人に合うかどうか」系の基準が一つと、もう一つ必ず付いてまわるのが価格である。よほどのお大尽でもない限りは、メガネフレームについてもある程度の予算枠を考えているはずである。コストパフォーマンスを考えて人はフレームを選ぶ。


ところが、このお店では一体何を基準にフレームを奨めてくれているのかが、さっぱりわからなかった。というか、そもそもフレーム選びに積極的に関わってくれたという印象もない。「これがお似合いなんじゃないですか」といった話さえない。もしかして、よほどこちらがとっつきにくい態度を醸し出していたのだろうかと反省しないでもないが、それでも息子に対して「どや、これ似合うか?」などと話しかけながらいろいろ選んでいるのだから、何かアドバイスしてくれても良さそうなものだ。


そもそもメガネ選びにも何らかのセオリーというのものがあるのではないのか。面長の人にはこんなタイプ、顔の丸い人にふさわしいデザインならこれ、角張った印象の人に合うシェイプはこんなの、といった基準があったような気がするのだけれど。そんな話をしながら選んでいけば、フレーム選びも楽しくなるし、選んだフレームに対しての納得感も持てるのではないのだろうか。


が、件の店長氏がまず持ってきてくれたのが、かなりなお値段のブランドものである。なぜ、そのフレームなのかという説明はない。そこでまず不信感を持ってしまった。だって、そのお店では「ただいま、フレームについて特別割り引き実施中」といったのぼりがかかっている。にも関わらず彼が持ってきたブランドフレームは、セール対象外商品である。そりゃ不信感も持ちますよね。


要するにセール品を売っても利益にならないから、ちょっとでも高い商品をあてがってしまえ的魂胆が見えてしまったわけだ。そっちがそうなら、こっちだってとばかりにきっちりセール対象品から選んだわけだが、こうしたプロセスは選択基準で価格が最優先されたことになり、買い手としては何か割り切れない気持ちが残ることも確かである。


そりゃ新しく手に入れたメガネに不満はない。軽くてよく見える。が、これが自分に本当に似合っているのかどうか。少なくともベストチョイスのフレームだと言い切れるだけの吟味をしていないことは確かなわけで、そこに忸怩たる思いが残る。そしてフレームこそセール品だから安かったもののド近視&ド乱視レンズのために値段はそれなりにしているのである。これだけの値段の商品を買ったにしては、その購買プロセスに満足感がない。


ということは、私にメガネ屋さんをやらせてくれれば、きっともっとうまく接客するのになあ、と思った次第だ。



昨日のI/O

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『自壊する帝国/佐藤優
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島津製作所・矢嶋会長対談原稿
シャープ町田会長対談原稿

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「丸いものを平板に、後工程を前工程に」
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