ユダヤ人の勉強法


ユダヤ人の勉強法

ユダヤ人の勉強法


歴代受賞者数150人


ユダヤ人のノーベル受賞者数である。この民族が特異であることは以前にも書いたことがある(→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20070317/1174082469)。実に知的に優れた民族であるが、全ノーベル賞受賞者の約四分の一を占めるまでとは知らなかった。


これがどれだけ異常な数字であるかは、ユダヤ人と全世界の人口比をみれば明らかになる。ユダヤ人は全世界で約1300万人ぐらいになる。全世界人口65億人の0.2%である。にも関わらずノーベル賞に関しては25%がユダヤ人となっているのだ。驚異的と言っていい。


なぜ、これほどまでに彼らが優れているのか。その秘密をユダヤ人の勉強法に探ったのが『ユダヤ人の勉強法/青木偉作』だ。


これによればユダヤ人の勉強法について4つの大きな特徴があるという。
1.読み書きの教育を徹底して行なう
2.安息日を週一回持ち、読書・議論・学習を習慣化する
3.身体全体を使った音読を繰り返して暗記する
4.身体を前後に揺らしながら脳を活性化して考える


それぞれに興味深いし、これまで大きな誤解をしていたこともある。たとえば安息日の意味だ。この日はその名の通り、何もせずにのんびりするのだと思っていたがどうやらそうではないらしい。安息日とは仕事こそしないものの、読書と思索と家庭での議論に時間を費やすという。頭は安息するどころか一日中フル回転することを求められるわけだ。こうした一種の奇習ともいえる習慣を持つ民族はおそらくユダヤ人だけだろう。


読み書きの教育についても実にユダヤ流である。すなわち読み書き教育とは単に子どもに本を読み聞かせるだけではない。ここで重視されているのは「本の読み方を教える」ことである。これはメタ知識を子どもに学ばせることになる。翻って日本の国語教育を考えてみたときに、本の読み方を教えることはあるのだろうか。もちろん国語ではいろんな文章を読むけれど、そもそもテキストとの対峙の仕方を教えてもらった記憶は、少なくとも私自身にはない。本の読み方とはすなわち知の吸収の仕方である。これもユダヤ流のやり方があるということなのだ。


ユダヤ人がまず読むべきものとして最重視しているのがトーラー(旧約聖書を構成する始めの五書)だ。これを5歳のときから学ぶ。書かれているテキストの読み方を学ぶのである。さらに10歳になるとタルムード(トーラーの注解書)を学ぶ。ここでユダヤの子どもたちが身につけるのは、ユダヤ的世界観、価値観だ。


これが何を意味するのか。ユダヤ人はまず自分の知のベースを10代の早い時期にしっかりと構築する。こうしたベースがないとその後の展開もない。


ユダヤでは子どもの間にきちんとした思考のベースを固めるのである。ベースを確固としたものとするために、子どもたちはとにかく反復練習を課せられる。ユダヤの諺には「百回復習するのと百一回復習するのでは大違い(同書80ページ)」というのがあるぐらいだ。


しかもそれぐらいしつこく、ほとんど暗記するようにトーラーなりタルムードを学びながらも彼らは質問を重視する。同じくユダヤの諺には「よい質問は、よい答えにまさる」というのがある。疑問を持つことが意識を覚醒するのだ。


疑問を持つために効いてくるのが、ユダヤ人が「本の読み方」を身に付けていることだと思う。本という一種の知の集積物に対して、どのように向き合うのか。書かれていることを鵜呑みにしていては、まず疑問など生まれてこない。それでは知は活性化しないのだ。かといって書かれていることをすべて疑ったり否定していてはそもそも何も得られない。だから「読み方」が大切になる。また自分のよって立つべき基準が重要になる。


もしかしたら、人が誰かから教わることが可能なのは「〜のやり方」だけではないだろうか。「〜」そのものについてはやり方を教わった上で、自ら身を以て会得していくしかない。つまり「〜」自身を教わることはできないのだ。そのことをユダヤ人は民族的な知の財産として継承しているのかもしれない。


知のベースを幼いときにしっかりと叩き込む。これがトーラーの学習である。同時に本の「読み方」をきちんと学ぶ。続いてトーラーに書かれている内容について書かれたタルムードを読み込む。ここではおそらく疑問の持ち方、議論の仕方を学ぶのだろう。そして週に一回、家庭で徹底的に議論する機会を民族的習慣として持つ。


こうした習慣を守り、頑に維持し続けていることが、ユダヤ人が知的に優れている秘密である。



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