Web3.0時代とは


Web2.0が言われるようになってからはや4年


今が2.0なら、次は3.0らしい。それが一体、どのようなものになるのかについての記事があった。

Web2.0は情報の共有だが、Web3.0は情報のレコメンデーション(推薦)とパーソナライゼーション(個人対応)を表す(日経産業新聞2008年4月10日付3面)

のだという。わかったようなわからないような話だ。


この記事にはWeb1.0、2.0から3.0までの流れを整理した表も付いている。この表には各時代のインフラ、端末、通信速度などからその利用目的までが一覧で示されている。これをみておもしろいなと思ったのが、インフラと端末の変化だ。一方でこの表には書かれていないけれども、重要な要素としてアプリケーション(最適な用語ではないかも知ないけれど)を考える必要があると思った。


2.0と3.0でのインフラの変化は、ブロードバンドからWiMAXとなるようだ。インフラの変化は大きな影響力がある。たとえば以前の1.0から2.0への変化でインパクトが強かったのは、おそらくブロードバンド&定額料金のシフトだろう。これにより、とりあえずネットにつなぎっ放しスタイルが定着した。何かわからないことがあれば、まずググってみる。そうした習慣が、実はブログやSNSでの情報発信へとつながっていったのだと思う。


インフラの変化がネットとの付き合い方を変え、そこにうまくはまったアプリケーションがさらなる変化を引き起こす。だからWeb2.0で重要なアプリケーションは、何よりまずGoogleであり、次がブログ、そしてSNSだったのだと思う(ブログやSNSまでをアプリケーションという用語でひとまとめにするのはちょっと乱暴だけれど)。ともかく、ここで引き起こされたパラダイムシフトは、個人からの膨大な量の情報発信である。


Web2.0以前のネットでは、情報は基本的に企業が発信するものであり、個人のポジションはそうして発信された情報を見る立場に限定されていた。もちろんイノベーティブな人たちは自分でHTMLを書いてホームページを作ったりしていたが、そうした動きがマジョリティにまで広がることはなかった。


ところが2.0の時代になり、個人でもおそろしく簡単に情報を発信できるような仕組みが整えられたわけだ。この仕組みにより引き起こされたのが情流の変化だろう。


では次なる3.0では何が変わるのか。WiMAX(あるいは各種無線LANなど)がインフラとして整備されることにより、どこでもブロードバンド状態になるのだと思う。加えてGPSが整備され手軽に使えるようになることが、インフラ整備では効いてくるのではないか。


そこでクローズアップされるべきハードが、記事によればMIDと呼ばれる代物らしい。これはモバイル・インターネット・デバイスのことである。早い話が高機能ケータイやネット機能を持つゲーム、あるいは超小型パソコンなどだ。


つまり、いつも身近に持ち歩いていること、そして,次が重要なポイントになるのだろうが、常に起動していること。そんなデバイスの時代になるというわけだ。これは坂村先生がおっしゃるところの『ユビキタスコンピューティング』とほぼ同義と考えてよいだろう。


では、Web3.0のキラーアプリケーションは何だろうか。Googleが引き続いてメインプレイヤーであることは、おそらく間違いないと思う。ただし期待も込めていうなら、自分から検索しにいく(プル型)ではなく、欲しい情報カテゴリーぐらいを指示すれば、最適なコンテンツをレコメンドしてくれるようなエンジンが開発されるのではないだろうか。


冒頭に引用した記事にも書かれているレコメンデーションである。そしてキーとなるアプリケーションは、YouTubeもしくは動画作成・配信ソフトではないだろうか。Web3.0の時代になると、物心ついたときからネットがあった人たちがメインプレイヤーとなる。彼らはインターネットがなかった時代のことを知らない人たちでもある。そうした世代のネット感覚は、たぶん私(あと2年で50歳だ)とは違うんじゃないだろうか。


そして、ここから先はかなりの推測になるけれども、動画をバンバン使う人たちがネットのメインプレイヤーになりそうな気がする。そこではどんなビジネスチャンスが生まれてくるのか。具体的なアイデアまでは見えてこないが、とりあえずソフトなら動画関連になるだろう。もっと簡単に動画を撮ったり編集したりできるサービスにチャンスがある。あるいは動画検索ソフトみたいなものがあれば、きっと便利だ。


ハード面でいえば、とりあえずバッテリーだと思う。小型化するモバイル・インターネット・デバイスにフィットするコンパクトなバッテリー、ただし常時起動が条件となるから長時間、理想をいえば一日中点けっ放しでも持つぐらいの容量が欲しい。


実際にWeb3.0の時代が来るのは、まだ2、3年先のことだと思うけれど、さて、そのとき世の中はどんなふうに変わっているのだろうか。


昨日のI/O

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