プログレは懐メロか


ASIAが再結成されたらしい


といっても、たぶん「なに、それ?」となる人の方が多いだろう。1982年にデビューしたバンドである。当時の有名ミュージシャンが参加していたためスーパーグループデビューとかで、かなり華々しく取り上げられたりもした。


バンドメンバーはジョン・ウェットン(vo.b)、スティーブ・ハウ(g)、カール・パーマー(ds)、ジェフ・ダウンズ(kbd)。それぞれが一世を風靡したプログレバンドのメンバーである。とはいえ個人的にはプログレスーパーバンドといえば、同じくジョン・ウェットンが参加していたUKの方が圧倒的に凄かったと思うのだけれど。


ちょっと話が逸れるが、何しろUKには『超絶』テクニシャンが二人いた。ギターのアラン・ホールズワース(通称ア・ホ)とドラムスのビル・ブラッドフォード(通称ビル・ブ)である。アランの尋常でなく長い指とライトハンド奏法(エドワード・ヴァン・ヘイレンより先ですね)が、ビル・ブラッフォードの変態的変拍子リズム(たしか7分の31拍子とか)にのって醸し出す妙なメロディーは、一度聴いたら病みつきになること請け合いだ。


閑話休題。彼らがASIAを結成する前のバンドでプレイしていたときには、それぞれのバンドのかなり熱心なファンだった。イエスキング・クリムゾンEL&Pである。なんて話をすると、さらに最近の人にはわからないかもしれない。


私が中学、高校生の頃はちょうどハードロック、プログレシッブロックが登場した頃であり、ほぼリアルタイムでそうした音楽を聴いて毎日を過ごしていた。Just After Beatlesの世界だ。同級生はたいていハードロック派がメインで、プログレ派は暗いとか陰気だとかいわれ、どちらかといえばマイナーな存在だった。


ミュージックマガジン』などでも特集で取り上げられるのはレッド・ツェッペリンであり、ディープ・パープルである。ピンク・フロイド、イエスEL&Pなどはごくたまにピックアップされるのがいいところだった。


さて、冒頭のASIAのおかげで、今朝ちょっとしたショックを受けた。再結成のニュースが朝のテレビで紹介されていたからだ。そのニュースをどの番組で、誰が取り上げていたかといえば、フジテレビの『とくダネ』でなんと小倉智昭が紹介していたのだ。「私が昔、大好きだったバンドが復活したんですよ」とかいって。


オットォー、である。小倉智昭氏がいま何歳かといえば60歳である(正確には1947年5月25日生まれ)。私とは一回りも違う。だから自分では自分が小倉氏と同世代だとは、もちろん思っていない。これが私の主観の世界観である。


しかしである。私はASIAのファンでこそないが(22の時にはすでにプログレファンではなかったから)、小倉氏が今朝の番組で「プログレと言えばこんなバンドがありましてね」といった感じで名前を出していたグループには昔、かなりな思入れを抱いていたことは否めない。


つまり自分では決して小倉氏と同世代だとは思っていないが、少なくとも私の音楽趣味を第三者的に眺めれば「一緒じゃん」ってことになる。そうなのか!


特にショックだったのは、小倉氏が当時いちばん好きだったと名前を挙げたバンドがムーディー・ブルースだったこと。それってまったく同じなのだ。あれま。


何というか、少なくとも音楽の趣味において、かつてプログレが好きだったという刻印は、今の60代までをカバーするカテゴリーに属するメンバーとしてみなされるわけだ。これが私を取り巻く客観的な世界観である。主観と客観にはやはり大きなギャップが存在することを、はしなくも朝のテレビニュースで再確認することができた。


それにしても十代だったかつての自分が、一生懸命に聴き込んでいた音楽が、時へてカテゴリーとしては「懐メロ」というレッテルを貼られるようになるとは思いもしなかった。その頃のロックミュージシャンといえば何よりも「カッコいい」という形容詞がフィットしたものだが、再結成されたASIAはちっともカッコよくなかったし。これもショックではある。


そういえばミック・ジャガーキース・リチャーズ、ブライアン・フェリーにピーター・ハミルあたりは、老いは隠せないにせよ未だに十分カッコいい。かたやジョン・ウェットンなんか昔はかなりなカッコよさだったのに、今やその面影はない。その違いは何が原因なんだろう。



昨日のI/O

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昨日の稽古:西部生涯スポーツセンター・ダンススタジオ

・ミット稽古
・マス組手
・約束組手
・捌き