駅ダンジョンとえきペディア
もし、あなたが車イスに乗り、誰の助けも求めずに地下鉄で「東京から浅草まで」行こうとするなら、どの経路がよいでしょうか?
6月14日東京メトロ副都心線開通した。開通とともに『駅ダンジョン』なる言葉が流行っているらしい。
発端はあるブログに6月17日付で掲載された「知られざる駅ダンジョンの世界」という一文。新線開通で拡張した渋谷駅が一層迷宮化したと指摘。他の主要駅の迷宮ぶりも分析した(日経MJ新聞2008年7月2日付2面)
確かに東京の駅はややこしい。というか複雑怪奇である。特に地下鉄の駅などは迷宮といわれても当然だと思う。たとえば大手町駅である。ここは東京メトロの丸の内線、東西線、千代田線、半蔵門線に都営地下鉄の三田線の相互乗り入れ駅となっている。つまり各線の乗換ができるターミナル駅というわけだ。
そこで、仮に丸の内線の大手町駅について、じゃあ三田線に乗り換えようとするとどうなるか。延々(本当に延々ですよ)地下通路を歩かされる羽目になる。確かに丸の内線と三田線は地下通路でつながっている。が、絶望的に遠い。あるいは丸の内線と東西線なんかも遠い。東西線などははるか彼方の地下奥深くに位置する。
国会議事堂前駅と溜池山王駅も「ややこしや〜」である。一見つながっているかのような案内がされているが、地下をぐるぐるうろうろしないとたどり着けない。ものすごくわかりにくい。というようなことを、なぜ奈良在住なのに知っているかといえば、昨年の秋にえらい思いをしたからである。
実は『まちの案内推進ネット』というNPO法人に関わっている。このNPOは『えきペディア』というサイトを運営している。メインコンテンツは二つ。地下鉄駅を主にエレベーターやエスカレーターを使って楽に移動するためのマップ『らくらくマップ』と地下鉄駅を起点としたまちの案内情報である。
→ http://www.ekipedia.jp/index.html#
たとえば大手町駅なら、こんな感じ
→ http://www.ekipedia.jp/eki.php?headcode=6&ekipeid=00170&usesite=FS&rosenzuname=rtokyo
あるいは溜池山王/国会議事堂前駅なら
→ http://www.ekipedia.jp/eki.php?headcode=6&ekipeid=00166&usesite=FS&rosenzuname=rtokyo
駅ダンジョンで話題の渋谷なら
→ http://www.ekipedia.jp/eki.php?headcode=6&ekipeid=00134&usesite=FS&rosenzuname=rtokyo
※まだ副都心線のデータができていませんけれど。
この『らくらくマップ』は、車イスの方、お年寄り、小さな子どもを連れたお母さんなどのメインユーザーとして作った。しかし、自分自身(別に足が悪いわけでは決してありません、むしろ空手をやったりして健康です)が結構ユーザーとして重宝している。なぜなら、これを見ればエレベーター、エスカレーターでの移動経路がひと目でわかるからだ。
だって、東京の地下鉄はものすごく深いところを走っているのである。地上からだとホームにたどり着くだけで大変だったりする。ということは逆にホームから地上までは、どれだけ遠いことか。足腰は鍛えているけれども、ノートパソコンや資料の入ったカバンを持って階段をえっちらおっちら上っていくのは大変に苦しい。これから夏場などは汗ぶりぶりになる。だからエスカレーターやエレベーターを探すのである。
さて、昨秋の苦労とは何か。
以前のエントリーでも書いたのだが、車イスユーザーのために地下鉄をメインに使った東京名所ガイドを作った(→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20070906/1189060996)。たとえば東京を起点として浅草に行くには、どの経路をたどれば良いかを案内するガイドブックである。
ポイントは「車イスユーザーのための」という条件が付くこと。つまり、どこかで乗り換えるとしたら車イスで自力で移動できなければならない。これは普通の経路検索でルートを探すのとはわけが違う。だって、それだとある駅で降りたはいいけれども、まったく車イスじゃにっちもさっちもいきません、という駅があるから。
そりゃ、駅員さんの助けを呼べば、とりあえずは何とかなる。でも、それってものすごく心理的なハードルになりますから。そこで考えてみた欲しいのが冒頭のクイズというわけです。答はわかりますか?
昨日のI/O
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