カレーが救う自給率
2007年度619億円
5年ぶりにルーカレー市場が上向いた。カレーマーケットは2002年度の650億円をピークに減少傾向にあったが、ようやく反転したという(日経産業新聞2008年7月3日付5面)。めでたいことである。
もしかしたらカレーは、日本の自給率を高める切り札的メニューとなりはしないか。日本の食品の中で唯一自給率100%といえば、お米である。日本の食料自給率が下がった理由はいくつかあるが、その中でも大きな影響を与えたのが米を食べなくなったこと。ご飯と近海で取れる魚、そして野菜を食べていたころは日本も、それなりの自給率を保っていたのだ。ちなみに今から40年ほど前、1965年時点ではカロリーベースでの自給率は73%もある。
ところが食事が洋食化し、肉をたくさん食べるようになるとともに、お米を食べなくなり、自給率もどんどん低下していった。肉は日本で飼っている分もあるけれど、飼料が輸入である。あるいはパンの原料となる小麦などもほとんど輸入である。肉を食べ、パンを食べるとどんどん自給率は下がる。
これに歯止めをかけるべく米で作ったパンなんかが開発されているらしい。お米を原料にしていろんな食材が開発されれば、自給率は上がるのだから、それはそれでどんどんやっていただきたい。意外においしいパンができたりするんじゃないだろうかと期待もする。
と同時に、そもそもお米をもっとたくさん食べるようにすればいいのだ。そこで出番となるのがカレーではないか。もちろんカレーにもお肉は入れたい。だから肉をまったく食べなくなるわけではない。が、焼き肉でご飯を食べるのと、カレーでお米を食べるケースを比べたとき、米/肉比率はカレーの方が圧倒的に米が大きくなるだろう。
しかもカレーなら、野菜も同時に取ることができる。肉だけを食べてしまいがちな焼き肉と比べれば、ヘルシーでもある。はたまたカレーならば、さまざまにトッピングを工夫して自分なりの楽しみ方を見つけることもできる。
そして、詳しくは知らないが、そもそも本場インドではカレーに使われる香辛料の多くに薬効成分があるともいう(確か『美味しんぼ』でそんな話を読んだ記憶がある)。ということはカレーを食べるということは、健康食を食べるということにもなりはしないか。
子どもが好きな定番メニューの中にも、ハンバーグや焼き肉と並んでカレーが入っていたんはずだ(もしかしたら今の子どもたちは違うのかもしれないけれど、40年ぐらい前はカレーはごちそうでもあった)。ということで、これからはカレー復権の時代が来ると予想するのだが、どうだろうか。
少なくともカレーなら、産地偽装問題は起こらない。日本のメーカーのルーを使ってさえいれば、たぶん品質も安心できるはずだ。あとは肉はそんなにたくさんいらないのだから、国産の良い肉を少しばかりぜいたくに使い、野菜もジャガイモとかタマネギ、ニンジンあたりならそれほど高くないだろうから、こちらはど〜んと入れる。
お好みに応じて、卵をつけてもいいし、あるいはトンカツをトッピングするのも一案だ。そしてゴハン系の食べ物の中では、カレーはまだお酒にも合うと思う。合わせる飲み物はビールよりもワインの方がいいだろう。
おつまみとしてのカレーなら、ご飯抜きという手もあるではないか。これからどんどん暑くなってくるのだから、ガラムマサラのパウダーをさっと振りかけ飛びっきり辛くしていただけば、これは立派に夏を乗り切るスタミナ食ともなる。
おお、カレーを食べたくなってきた。
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