ブログを書いてよかったこと
第一回は2005年5月3日
３年４ヶ月書き続けてきて、ようやくエントリーが千回を超えました。実は昨日のエントリーが千日目で、今日が千一回目というわけです。そろそろだなと思ってはいたのだけれど、自分では気がつかなかった（ちょっと間抜け）。とはいえ、一つの区切りではあるわけで、それについて何か書いておこうということで。
一回目に書いた記事はJR西日本が尼崎で起こした事故についてのもの。今から読み返してみると、なんかものすごく中途半端な内容を垂れ流し的に書いているまだブログメディアに対する自分のスタンスが決まっていなくて、はっきり言ってなにが言いたいのかわからない。もちろん、今でもなにを伝えたいのかわからないままに書きなぐっているエントリーもあるので、偉そうなことはいえないのだけれど。
ただ自分としては、次の３つの課題を意識して書いてきたつもりではあります。まず第一には、誰より自分で読み返してみて、何を考えていたのかが、できるだけわかりやすいテキストを書くこと。ここがブログのブログたるところだと個人的には思っています。つまり、これがお代をいただく依頼原稿であれば、その想定読者の方々にわかっていただけることが最優先課題となります。しかし、これはあくまでブログ。公開はしているけれど、誰かのために書いているわけじゃない。私としては自分の考えをまとめる練習であり、わかりやすいテキストを書く修業みたいなものだと思っているわけです。
そこで次の課題につながる。すなわち、一つのエントリーをできるだけ原稿用紙換算で４枚から５枚ぐらいの量にまとめること。ここは人により感覚がわかれるところでしょうが、何かまとまったことを書くには、自分としてはこれぐらいの量がちょうどよい。これも自分のための練習用という視点からの話です。恐らくはいったん書き上げたブログ原稿を推敲して、半分位にまで削っていけばもう少しシャープな内容になるのかもしれない（ならない可能性も大きいけれど）。
三つめはできるだけ白い原稿にすること。すなわち漢字を少なくすることです。ひらがながあまりにも多いと、ちょっとオバカに見えるかもしれないけれど、漢語を使わずに表現するためにはことばに対する感覚をしっかり持つ必要があると思う。ということは、ブログを書くことが自分にとってことば感覚を磨く訓練になるだろうと思っているわけです。
ブログを千回書いて、何がどうなったか。
はっきり言って、すごく得しています。得したことは二つある。といってもアフィリエイトでウン十万円稼いだとかいう話じゃありません。そもそも、本の紹介も面倒くさくなってやってないし。そうじゃなくて、もっと得難いものを得たと思っています。
まず一番には人との出会い。ブログを読みにきてくれた人から連絡をもらい、そこからお付き合いが始まる（といっても変な意味じゃありませんよ、誤解のないように）。その付き合いがさらに、新たな付き合いに広がる。これはねずみ算的効用といえる。そしてブログを通じて知り合った人というのは、共通する一つの特長がある。それは、相手は私のことを知っているということ。
何しろこちらは、ありとあらゆるネタについて、自分なりの考えをまとめる練習をしているわけです。だから書かれたブログは、そのレベルはともかくとして、そのときどきに自分が考えた内容であるのは間違いない。それを読んでくれた人というのは、その人なりに私のことを理解してくれた人になります。だから、話が伝わりやすい。
もう一つが、いろんなものを今までよりじっくり見るようになったこと。ブログを書くためにはネタが必要です。ネタは大きく分けて二種類ある。一つは社会的（というか一般的というか）な出来事があり、もう一つには極めてプライベートなイベントがある。どちらもブログを書くキッカケになるわけで、そういうネタを普段から意識して探すようになった。すなわちいろんなものを「これで、何か書けるんじゃないか」という視点から見るようになった。ちょっとは注意力レベルがアップしたんじゃないかと思います。
と、いろんなメリットを与えてくれるブログなので、これからも書いていくつもりです。そして、これからはもう一つ、新しい項目を付け加えようかなと思っています。それは『この人に逢いたい』コーナーですね。インタビュアーとしていろんな人の話をいっぱい聴いてきて、ますますインタビューがおもしろくなっているわけで、もっともっといろんなおもしろそうな人に逢って話を聴きたいと思うわけです。
だから勝手インタビュー企画として『この人に逢いたい』コーナーを設けて、どんどんアピールしていこうと思った次第。それを誰かが見て「そのインタビューなら、興味があるからやってみな。経費ぐらい出してやるからさ」と言ってくれないかと厚かましくも思った次第。そんな奇特なお大尽と出逢えることを願って、千一回目の区切りとさせていただきます。
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