麻生さんの顔に責任は見えるか


「人間40にもなれば自分の顔に責任がある」


かつてリンカーンはこういって、閣僚の人選を顔で決めたという(→ http://www.yorozubp.com/9803/980327.htm)。ではリンカーンが大統領なら、麻生さんを閣僚に選んだだろうか。今朝の朝刊をみると麻生さんの昔の写真があった。実家は炭坑王だそうで、お金には何の苦労もされていないのだろう。いかにも育ちの良さそうな、まっすぐに伸びた若木といった顔つきをされている。


今と大違いである。


リンカーンが自分の顔に責任があるといった40という年齢は、全体的な低年齢化(幼稚化ともいう)が進んでいる現在なら、60歳ぐらいに後ろ倒しして考えてちょうどいいぐらいだろう。だから、48歳の私はまだ顔に責任をもたなくてよい、と開き直ったりする。実際のところ自分の顔に責任などまったく持てないのだから仕方ないのだけれど。


さて、麻生さんである。なぜ彼の顔はあんなにも歪んでしまったのだろうか。選挙で初当選を果たしたときの顔、オリンピックに出場したときの写真が今朝の新聞には出ていたが、昔は端正といってもいいぐらいの好青年だった。が、今ははっきりいっていびつである。細かいことを言えば、昔の写真は顔もまっすぐ正面に向かっていた。今はご存知のように、いつも少し傾いている。口もいつも曲がっている。


何かご病気をされたのかもしれない。新聞には書いていなかったけれども、病に臥せっていた可能性はある。政治家といえば激職だ。しかも小さいとはいえ派閥の領袖を務め、一国の長を目指すとなれば、その気苦労はとても想像のつかないレベルにあるだろう。身体に無理がこないはずがない。そうした無理がたたって、顔に出ているのだろうか。


あるいは政治の世界は海千山千、ぽっと出の坊ちゃんが素直にストレートに歩いていけるほど甘い世界ではないはず。そこで人知れずさまざまな権謀術策に絡めとられ、おそらくは痛いめ・怖い目にあってきた結果が今のお顔になっていることも考えられる。


ともかく政治家なんてのは、健康に悪い仕事であることは間違いないはずなのだ。その証拠に、日本に何百人と政治家がいるけれど、健康で仕方がないなんてことを感じさせる人は、一人もいないんじゃないだろうか。もし、いるとしたらアントニオ猪木さんぐらいか(でも、あの人が本当に健康かどうかは、ちょっと疑問があるけれど)。


とはいえ、顔のことだけをとって麻生さんに対してネガティブな評価を下しているわけじゃ決してない。むしろここのところ二代続いて政権をほっぽりだしたお二人に比べれば、少しはましかもしれないという期待を抱かないでもないぐらいだ。


前任者もその前任者もとにかく人が良さそうな方だった。しかし、そうした善人風の外観はおそらく、内面をそのまま反映したものだったはずで、決して強いとはいえない心では世界のタフな指導者たちと伍してやっていくことなど無理だったのだろう。


それなら麻生さんの方が、ずっといい。少なくとも海外の人たちからは、今度の日本の首相は一筋縄ではいかない人物じゃないのか、ぐらいは思ってもらえそうではないか。


そういう海外の指導者と比べてどうなのだ、という視点が、とりあえず今日時点までの日経、毎日料紙とオンラインの朝日、読売にはなかった。これが残念だし、日本のマスコミの限界なのかとも思う。それは確かに小沢さんと比べてどうなのかという分析も必要だろう。しかし、その前に、ともかく麻生さんは日本の首相となるわけだ。すなわち、いくら短期間とはいえ、ブッシュさんや(オバマさんやマケインさんも控えているわけだし)、胡主席やメドベージェフさんやそのバックにいるプーチンさんたちとちゃんと渡り合ってもらわなければならない。


そうした人たちと比べて、麻生さんはどうなのだ? というのは、国民として知っておきたいレベルAランクの情報だろう。実際のところ、どうなんだろうか。あのサルコジさんと比べても、彼の方がはるかに老獪に見えるのは気のせいだろうか。それとも、だてに顔を歪めているわけではなく、その目を細めて射だす視線は氷柱のように冷たく研ぎ澄まされていてプーチンさんとも互角に渡り合えるぐらいの胆力を秘めているのだろうか。


実は小泉さんの目が、いつも笑っているような顔をしていて、実は恐ろしい目だったんじゃないかと思っているのだけれど、それに匹敵するぐらいの目力を麻生さんが持っていらっしゃれば、良いかなとも思ったりする。


人柄は顔に出るというが、その人の腹の据わり具合は目に出ると思う。願わくば、麻生さんの目が本物の力を秘めていることを。





昨日のI/O

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昨日の稽古:富雄中学校武道場

・縄跳び
・基本稽古
・突きに対する受けと捌き
・組み手稽古