マーケティングセミナーパート3


伝説の『知恵市場』でも、松尾氏はひと際光っていた


InsightNow主催、ビジョナリー・コラボレーションセミナー第三弾のお知らせである(→ https://www.insightnow.jp/events/seminar0312)。


かつてネット上に知恵市場という組織があった(正確には以前とは形を変えて今もある→ http://www.chieichiba.net/)。その成り立ちについては詳しくは知らない。もともとはパソコン通信Nifty-serveのフォーラムの一つだったと聞いたことがある。私が参加したときには、すでにネットでのML(メーリングリスト)となっていた。


これが、とびっきりユニークなメーリングリストだった。どこがユニークかといえば、その仕組みと仕掛けがである。


まず仕組みについて。知恵市場MLは参加者が自由に好き勝手なメールを投げ合うMLではない。最初にディスカッションテーマが提示され、そのテーマについて参加者が自分の意見を書き込むのだ。書き込まれたメッセージに触発された人が、同意・反論・昇華された考えなどを書き加えていく。


そんなことが自発的に整然と行なわれるわけはなくて、ここが知恵市場のすごい仕掛けなのだが、飛び交う意見の交通整理役としてネットDJがいるのだ。このネットDJが随時、それまでの論点を整理し、次に議論すべき方向性を示唆する。ときに自ら意見を出し、新たな展開へと導くこともある。


滅多にないが、万が一場が荒れそうなときには、いち早く抑えにかかる。議論を巧みに導きながら、ディスカッションを活性化するネットDJがいるおかげで、話がつながっていく。


そして締めはレポートである。約半月かけて議論された内容をベースに、ネットDJがそのテーマについてレポートをまとめる。これがまた秀逸。MLで交わされたディスカッションをベースとしていることはもちろんだが、そこからさらに一歩も二歩も突っ込んだ読み応えのあるコンテンツとなっているのだ。


議論に参加せずとも、MLで交わされる討論やレポートを読むだけでもおもしろかったのだろう、この知恵市場には数千人の参加者がいた。


その知恵市場でバリバリと自説を発表していたのが、松尾氏だ。松尾氏は根っからの勉強好きである。都内の仕事場にはところ狭しと本が積まれている(仕事中に地震でも来た日には、その下敷きとなりはしないかと余計な心配をしてしまいそうなほどの蔵書である→ http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0707/10/news094_2.html)。しかも本は日々増殖し続けている。


マーケティングを自分の軸としてさまざまな専門書を読み込み、その成果をMLに矢継ぎ早にアップしていくバイタリティにはひたすら驚くばかりだった。しかも氏の書くメールは、読みやすいことでも定評があった。すなわち自らは高度なナレッジを持ちながら、それをやさしく噛み砕いて文章化する能力が飛び抜けていたのだ。だから、読んだテキストの内容がすっと腹に落ちる。


やがて松尾氏は単なるML参加者にとどまることなく、知恵市場主宰者からの誘いを受けてネットDJとなる。氏の仕切り具合が卓越していたことは言うまでもないだろう。その松尾氏による「情報力」を高めるためのセミナーである。


情報を「収集」⇒「整理」⇒「分析」⇒「解釈」するための松尾メソッドが惜しげもなく披露される。セミナー案内を見るだけでも、たとえば
・顧客理解を深める情報収集法
・統計のウソの見破り方
・取引先の動向を5感を働かせて察知しよう
・関係性を発見しよう
と、実に興味深い項目が並んでいる。


特定分野に関する具体的な情報収集や解析ではなく、情報収集そのものについての知識はメタノウハウともいうべき内容である。そしてこうしたメタ知識こそが学んで本当に役立つノウハウなのだ。InsightNowでも断トツの投稿記事数を誇る松尾メソッドを感じてみたい方は、ぜひ参加されることをお薦めする。



昨日のI/O

In:
Check a Toilet代表金子健二氏インタビュー
Out:

昨日の稽古:西部生涯スポーツセンター

・縄跳び
・基本稽古
・ミット稽古
・組手稽古