春の生産性を上げるには


一日あたり約6000円×46日


花粉症がどれだけ生産性を下げるか。こんなテーマでグラクソ・スミスクライン社が調査を行った。その結果が、上記の数字だという(日経MJ新聞3月11日付2面)。トータルでは、ワンシーズン一人あたり約28万円にもなる。恐ろしいばかりの数字だ。


言うまでもなくお一人様にとっては、こんなに著しく生産性が落ちてはオマンマの食い上げである。なんとかせねばならない。


思い返せば、花粉症を発症したのはもう30年ぐらい前のことになる。その頃、花粉症なる言葉があったのかどうかさえ定かではない。とにかく季節は春。なぜか、めったやたらと洟をたれるようになり、同時に目がむずがゆくてがまんできなくなった。


そこで眼科を訪ねてみて、告げられたのが『アレルギー』。アレルギーということは、何らかのアレルゲンが存在する。恐らくは何かの花粉だろうというのが、当時の医者の見立てであった。とりあえず目薬と飲み薬を処方してもらい、幸いなことにそれでいったん症状は治まった。


それ以降しばらくの間は、巡り来る春にも取り立てて症状の出ることはなかったのだ。が、10年ぐらい前からだろうか、再び春が憂鬱な季節となった。洟水、目のかゆみ、そして鼻づまり。およそ花粉症で何よりも鬱陶しいのが、この鼻づまりだろう。鼻が詰まると、眠りの質ががったりと落ちる。ぐっすり眠ることができないのだから、当然昼間は眠気に苛まれることとなる。生産性が低下する所以である。


もちろん、じっと手を拱いていたわけではない。懐具合と相談しながら、考えられる限りの手は打ってきたのだ。幸いネットを少し検索すれば信頼できる情報、眉唾物の情報含めて『花粉症対策』は山ほどある。レーザーで花粉を吸い込む穴(だったかしら)を焼き切る方法や、花粉を徐々に注射することによる減感作療法などがあることも理解はした。


が、そうした医学的療法で対処するとなれば、当然コストがかかる。お一人様にとって痛いのは、金銭面でのコスト負担はもちろんだが、病院通いのために割かねばならない時間が痛い。そのためどうしても頼りにするのは、手軽な売薬系となる。


一時はウコン茶を毎朝欠かさず飲んで対処しようとしたこともあった。が、これもやがて効かなくなった。薬については、いろいろなタイプを試してみた。なぜか相性が良かった薬は弱小メーカーの製品である。そのために販売店がごく限られていて、わざわざメーカーに問い合わせをし近くの取扱店までクルマで買いに通っていたこともある。


とこうするうちに去年には、強力な助っ人アイテムが登場した。鼻の粘膜に塗り込むクリームタイプの薬である。これをすりつけておけば、花粉の吸収を防ぐことができるという。早速やってみると、明らかに何となくレベル以上の効果があるような気がした。よって昨年からは一日4、5回、せっせと鼻にクリームをすり込んでいる。


また、飲み薬についてはできるだけ早くから飲むのが良い、と聞いた。だから遅くとも2月頭ぐらいからは、きちんきちんと服用するようになった。さらにである。万が一、鼻が詰まった場合の最終兵器として、鼻の通りを良くするスプレーまでを併用するようになった。


どんなもんだい、である。これでもやってくるか花粉野郎め、である。そして今年。身近にいる同類花粉症の方々が次々と発症し、バカでかいマスクで顔を隠しておられるのに比べて、こちらはマスクなし、少々目はかゆいものの、洟水たらりもなく、鼻づまりなど関係ない日々を送っていたのだが、しかし。


やはり、発症した。何しろ今年は花粉の当たり年である。しかも住まいのある奈良は、吉野杉の産地でもある。おそらくは大量に花粉が飛び始めた2月下旬あたりから、夜眠っていて鼻が詰まるようになった。とはいえ、もちろん鼻からの花粉吸入はクリームを塗りたくることにより、大幅に減っている。だから眠れないほどの寝苦しさではない。


それでも飲み薬の買い置きがなくなり、飲むべき時間に飲めなかったりするとてきめんである。という花粉症持ちにとっては憂鬱な日々を送っている。しかも冷静に計算してみると、売薬の飲み薬はそれなりに高額のコストがかかってもいる。厄介な季節である。


来年の花粉シーズンは「ちょっと沖縄で取材しています」なんてことにならないものか。




昨日のI/O

In:
『やっぱり変だよ 日本の営業』宋文洲
Out:
関西学院大学 長田教授・巳波准教授取材原稿

昨日の稽古:富雄中学校武道場

・基本稽古
・ミット稽古
・移動稽古
・組み手稽古