新型インフルは何が問題か


いよいよ京都も休校になった


新型インフルエンザの影響である。最初、神戸で高校生患者が見つかった。続けて大阪でも同じく高校生の感染がわかり、大阪府兵庫県は一斉に全面休校となった。以降、滋賀で見つかり、次が京都である。この間に東京でも見つかっている。


が、意外に他の地域には広まっていない。とても不思議だ。こちらは仕事で、大阪、神戸、新居浜、東京、仙台とまわってきたが、マスク率が圧倒的に高いのが大阪(特に茨木あたり)と神戸。さすがに神戸大学の取材に阪急電車で向かっていたときは、ほとんどの人がマスクをしていた。


ところが昨日訪れた仙台では、マスク者はほとんどいない。東京も感覚的には30%ぐらいじゃないだろうか。マスクをしていないと何となく不安だから、着けてはいるものの、そもそもマスクは感染した人が着けるべきアイテムで、感染予防には手洗いの方がよほど効果的だという話もある。


またマスクを着けるからには、扱いに気を遣う必要もあるそうだ。つまりマスクの表面にはいろんな菌が付着している。だから着け外しのときには、表面を触らないように気をつけなければならない。もちろん使い捨てタイプを何日も使ったりするのは御法度である。さらにいうなら、もったいないからといって裏返して使ったりするのはアッポ君である(そんなこと誰もやらないけど)。


そして、この間の報道を見ていると、どうも今回のインフルエンザは大したことなさそうである。大したことないどころか、冬にはやる普通のインフルエンザ(季節性というらしい)の方が、かかると体へのダメージはきついようだ。だってほら、感染がわかったたいていの高校生が、二日目ぐらいには熱も下がり元気にしている、とかでしょう。


普通のインフルエンザだったら、熱は39度近くまで上がるし、体の節々はいたむし、悪寒はするしといった症状が、最低でも三日ぐらいは続くはずだ。だから、万が一感染しても、それほど心配する必要がないのは確かなようだ。


だから、無闇矢鱈と恐れることはないのだと思う。が、ここから先が考えどころである。


確かに症状はゆるい。しかし感染力は強い。それが今回のインフルエンザの特徴だと思う。感染力が強いということは、自分が感染している場合、まわりにいる人にうつしてしまう可能性がとても高いことになる。だから、もし自分がかかったなら少なくとも人にうつさないように気をつけるべきである。


つまり基本的には家から出ない。どうしても出なければならないときは必ずマスクを着ける。そもそもマスクは、くしゃみや咳をしたときに自分の口から吹き出される菌をあたりにバラ撒かないためのアイテムなのだ。


であるならば、感染していない人があまりにも神経質にマスクを着けるのは良くないのではないか。もちろん不特定多数の人と接しなければならない仕事に就いている人は別である。あるいは電車の中のような密閉された空間に閉じ込められているときは、それなりに効果もあるだろう。特に満員に近い状態のときは、マスクを着けていた方が気分的にもうんと楽である。


が、街を歩いているとき、あるいはガラガラの電車に乗っているときまでマスクをする必要はないんじゃないか。そんなことを思った。


それよりむしろ、感染力の強さをもっと打ち出すべきなんじゃないんだろうか。ここ最近の新聞の論調は、感染しても大したことないから広域での休校などと騒ぎ立てない方が良いといった流れになってきている。それは良いとして、症状のゆるさと感染力の強さは分けて考えるべきではないか。


感染力が強ければ、依然としてたくさんの人が感染するリスクはあるわけだ。そして本当に恐ろしいのは、感染を繰り返すうちに病原体が変異して強い毒性を持つことだと思う。そうならないために、どうすればいいのか。


マスクの使い方を含めて、こういうときこそマスコミがきちんとした情報を提供するべきだと思うのだけれど。ちなみに欧米では、マスクを着けるのは感染者という認識があるらしい。だからといって、それを真似る必要もないし、そもそも感染者がうろうろすべきでもないとは思うが、今のマスクだらけの状況は少し考え直した方が良いのではないだろうか。


京都では高齢者を狙ったマスク詐欺電話なるものも出ているようだし。




昨日のI/O

In:
東北大学・川島教授インタビュー
『現代人のための脳鍛錬』川島隆太
Out:
ルナスケープ・近藤社長インタビュー原稿


昨日の稽古: