オーストラリアのインフルエンザ


5月27日時点で50名、今日(6月6日)はで1000名
http://www.aswho.com/australia/001295.htm
http://www.asahi.com/international/update/0606/TKY200906060109.html


新型インフルエンザのオーストラリアでの感染者数である。約10日間で20倍に増えている。特に先月末から急増しているようで、毎日100人単位での増加となっている。オーストラリアで先どうなるのかは、二本にとっても非常に貴重な事例となるはずだ。


なぜかといえばオーストラリアは南半球の国だから。つまりかの国はいま「冬」を迎えている。すなわちインフルエンザが感染力を増す季節である。


日本でも連休明けから新型インフルエンザは猛威を振るった。が、それでも毎日100人ずつ感染者が増えるような事態には到っていない。その最大の理由はおそらく、季節である。春の終わりから初夏に向かう気候の下ではウイルスは活性化しない(といわれている)。実際、マスコミで報道される新たな感染者数はどんどん減っている。


その日本でさえ危惧されているのが、秋から冬にかけての再発生だ。本来インフルエンザが流行するシーズンに、新型インフルエンザが起こったらどうなるのか。今まさに懸念される状態を迎えているのがオーストラリアというわけだ。


ここで考えるべきは、日本とオーストラリアの違いだろう。オーストラリアは、でかい国である。総面積は日本の約20倍ぐらいある。ところが人口は意外に少なく2100万人しかいない。日本の6分の1ぐらいしかいないことになる。ということは人口密度も大きく違うということになる。


もちろんオーストラリアの場合、広大な大陸のほとんどは人の暮らせない荒れ地である。それゆえ人口の多くが都市に集中しているはずだ。が、都市の人口密度を比べてみても、日本とは比べるべくもないだろう。大半の感染が起こっているビクトリア州で人口密度は23人弱に過ぎない。


ちなみに日本の人口密度は、東京が13500人、大阪が12000人である。これが何を意味するか。


いま冬に向かいつつあるオーストラリア・ビクトリア州では一日100人の感染者が出ている。同州の人口密度は平均値で23人、仮に同州最大都市のメルボルンに感染者が集中していると仮定すると、同市が約1200人である。あえて単純計算すると、大阪、東京の人口密度はメルボルンの10倍になる。


もし、感染者が人口密度に比例して増えるとすれば、日本でこの冬に新型インフルエンザが起こった場合、東京なら毎日1000人単位で感染者が増えることになる。こうした仮説にもならないような素人考えをベースとした計算に意味があるのかどうかはわからない。


もしかしたら単純に倍数計算すればよいというものではなく、ネガティブに考えるなら乗数効果を考える必要があるかもしれない。あるいはポジティブに考えるなら、日本とオーストラリアの医療状況、衛生環境、日本人とオーストラリア人の考え方の違いなどを加味して、日本の方が感染者数は少ないはずだという議論の立て方もあるだろう。


いずれにしても救いは、今のところオーストラリアでも感染したからといって重症化している気配がないこと。とはいえ、突然変異はいつ起こるかわからない。


これからより感染期に入っていくオーストラリアの状況、対策は世界中が注目しているんじゃないだろうか。その割には、日本での報道が薄いような気がするのだけれど。




昨日のI/O

In:
『日本の難点』宮台真司
Out:
東京大学・真船准教授インタビュー原稿
森理世さんインタビューメモ


昨日の稽古:屋上道場

・基本稽古