生番組出演


8月20日15:05から約22分30秒


ラジオの生番組に出演した。KBS京都『音楽ワイド・ラジオビュー』木曜日・トークフルスイングである(→ http://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/view/archives/005_thursday/)。もちろん生まれて初めてのこと、めっちゃくちゃ緊張した。というのは嘘だ。出番を待っている間は確かに妙な気分だった。何しろ待合室で、そのラジオの番組が聞こえるのだ。


その番組とは、これから自分が出る番組である。パーソナリティが軽妙にしゃべり、途中にきちんとCMが入る。当たり前だけれど、ごく普通の極めてちゃんとしたラジオ番組である。そこに、もうすぐ自分が混ざる。放送中の自分の声を、放送で聞くことはもちろんできない。番組が終わった後に録音を聞くしかない。


だからリアルタイムで自分が出演している番組を聞くことはできないのだが、自分がラジオ番組に出演することはほぼ間違いないようなのだ。これが何とも実に変な気分である。この落ち着かない気持ちが、もしかしたらやがては緊張に変わるのか、と思っていたらそうはならなかった。この間の自分の心境の変化がおもしろかった。


待合室で待っていると、しばらくしてディレクターが出てきた。ここで打ち合わせかと思いきや、いきなり放送室に迎え入れられる。放送室というと完全防音ブース(古畑任三郎シリーズで桃井かおりがDJをやったのがありましたよね、あんな感じ)を想像していたのだが、そんなんじゃなくてえらく開放的である。


ブースは特にない。エンジニアが一人、ディレクターが一人、アシスタントらしき女性が3人ほどいて、彼女たちは自由に出たり入ったりしている。えっと、物音にそんなに注意しなくていいんでしょうかと不思議に思うぐらいだ。そんなことお構いなしみたいに、パーソナリティ(私の相手をしてくれるアナウンサーで竹内さんという)が話している間に、つまりオンエア中にアシスタントさんは部屋を平気で出て行ったりしている。


よくわからないが、マイクの感度というか指向性がめちゃめちゃ良いのかもしれない。だから、ほとんど周りの雑音を拾わないのかもしれない。とか考えを巡らせている間に、なぜか気持ちが落ち着いてきた。


んで、どの曲かけますかと尋ねられる。かけるのは自分のリクエストなんだけれど、そのCDは自分で用意するのである。昨日少し考えて、大昔、まだここを近畿放送と呼んでいた頃の音楽テレビ番組で見たことのある曲を選ぶ。本当は世界一のベーシストの甘美な曲とか、世界一からだが小さいくせに声量のあるシンガーの鳥肌の立つようなボーカルとかもあったんだけれど、これはまあ仕方がない。


といった具合でささっと1分ほどで番組前の打ち合わせは終了。いきなり番組が始まった。あらかじめどんなことを聞かれるかはレジメで渡されていた。だいたい、その通りの質問で進んでいくけれども、途中で「えっ?」とびっくりするような問いが飛んでくる。これが結構おもろいのだ。そこで頭が真っ白になって、言葉が出なかったらどうしようなどと出演前は思っていたのに、いざ番組が始まってみると、何でも聞いてちょみたいなテンションになっちゃってる。


これは一体、どうしたことか。どちらかといえば(というよりも、やや、いやより正確にはかなり)あがり症だったはずだ。そもそも人と話をするのはそんなに得意な方じゃない。だからこそ自分からはうまく話せず、それ故に聴き方に徹するような人生を選んできたはずなのに。自分が話していい方の立場に置かれると、なんかいっぱしにしゃべってたりするのはいかがなものか。


と話している自分を見下ろしている『もう一人の自分』がいることに放送中に気づいた。おお、これはもしかして離見の見ではないか。などと思いを巡らしていると、ますます落ち着いてしまった。残念ながら滑舌の訓練をしていないために、何回か語尾が不明瞭になったり発話がおかしかったしたところがあるが、まあとりあえず事故を起こさずに話せたので良しとしよう。


しかし、プロのしゃべりはうまい。本当にうまい。ラジオなんか何気なく聞いているけれど、ああいう風にしゃべれるようになるのは、やはり相当な訓練のたまものなのだ。ということもわかりました。


アナウンサーの竹内弘一さん、ディレクターの小林秀野さん、ほかスタッフの皆さん、得難い経験をさせていただきました。ありがとうございました。


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