床寝のススメ


平均睡眠時間6時間


9時に寝て3時に起きる。10時に寝てもたいてい3時には目が覚める。睡眠時間が6時間というのは長いのか短いのか。ナポレオンに比べるなら寝過ぎということになる。内田樹先生と比べるなら、それは短いのではないかという話になるだろう。


いずれにしても学生時代のように8時間も10時間もぐっすりと眠り続けることはできなくなった。歳を取った証拠である。加えて高血圧でもある。従って寝起きはすこぶる良い。一度目が覚めると、すっと起き上がることができる。低血圧の方がいわれるような寝起きのぼーっと感はまったくないのだ。


さらに最近とても快調である。寝起きが以前よりもうんと良くなった気がする。何がよいのかといえば、腰の具合である。一日中、座り仕事をしているために、いささか腰に負担がかかっているようなのだ。ならば運動をしてほぐせば良いではないか、というのは正論、よくわかる。が、ここのところありがたいことに仕事がかなり増えている。だから、なかなか稽古すらままならない案配だ。


よって腰に負担がかかる。一晩眠っても、何となく腰にだるさが残ったままだったりしていたのだ。それがこの夏前までの話である。ところが夏を迎えて、ある試みを取り入れてみると、嘘のように腰の調子が良くなったのだ。ヒントはサッカー漫画『Jドリーム』にあった。


腰痛持ちのゴールキーパーは遠征で高級ホテルに泊まっても、わざわざ固い床の上に寝るとあったのだ。これを初めて読んだのは、もう何年も前のことだが、頭のどこかに残っていたのだろう。その話がなぜかよみがえってきた。そこで思いついたのが、じゃあ床の上に転がってみたらどうなのだということ。


実は9時に寝て3時に起きる習慣は、我が家ではいささか問題視されてもいた。なぜなら、家族の生活リズムとあまりにも時間差があるからだ。すなわち9時に寝ようとすれば「そんなに早くから布団を敷かなければならない」と迷惑をかけ、3時に起きるとなると「そんなに早くからごそごそして」とこれまた迷惑をかけることになる。



ところが『床の上ごろん作戦』を展開すると、この「家族の私たち困ってます」問題も解決されてしまう。だって床の上に転がるのであれば、寝場所を選ばないでしょう。そして発見したのが、机の下に頭突っ込み眠りの癒し効果だ。これが何とも落ち着くのである。一種のシェルター感覚とでもいえばいいか。


なにしろ机が音と光をほどよく遮ってくれる。もちろん、ここで眠る分には誰からも文句は出ない(正確には息子からは、僕の勉強する場所がないやんと怒られたりするが、それはそれ。机は他にも三つあるのだから何とかなる)。そして熟睡できる。


確かに床の上に直に寝ている故、寝返りを打つと少しばかり体にぶつかり感がある。それによって一瞬目覚めることもある。が、寝付きは極めて良いために、寝返って姿勢を変えて決めてしまえば、また瞬間的に深い眠りに入ることができる。そして起きたときの腰の調子はよい。


さらに床寝のメリットをあげる。少なくともいまの季節なら、上にかけるのタオルケット一枚で十分である。従ってどこででも寝ることができる。狭い我が家ではあるが、すでに6カ所の寝床を試すことができた。もっとも良いのは机の下であるが、ここは息子とのせめぎ合いがあるために毎晩確保できるわけではない。


なら、他を当たればよい。ソファとテーブルの間、ダイニングテーブルの横、ダイニングから奥の和室へと続く通路、息子の部屋のベッドの横といろいろ試してみて、昨夜はさらなる安息の地を発見した。



実はいまの住まいはちょっと変わったしつらえになっていて、我が家はその4階にある。3階から4階に上がるには3階の横の通路を通ることになる。その3階の通路が「なかなかの寝場所」となるのではないか、と以前から目を付けていたのだ。ただ、ここは薄いカーペットが敷いてある。そのため蒸し暑い間は汗をかいて気持ち悪いだろうと避けていたのだ。ところが昨夜は秋の兆しを感じさせる涼しさである。


よしゃ、今夜の寝床はここじゃとばかり転がってみて、次に意識が戻ったのは3時前だった。つまり横になった瞬間に深い眠りに落ち、夢は見たものの熟睡して、ものすごくしっかり眠った感ととともにぱっと目覚めた。ちょうど薄いカーペットが一枚敷いてあることによって寝心地はやはりむき出しの床よりも良いみたいだ。これは発見である。


もし腰痛に悩まれる方がいらっしゃるなら、この床寝、ぜひ一度お試しあれ。さて、我が家には実はもう一つ、ここで寝てみたいという場所がある。屋上である。暑い季節、寒い季節に蚊の多い時期も無理だが、もう少し涼しくなれば、ぜひチャレンジしてみたい。


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ぜひ、一度見てやってください。
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昨日のI/O

In:
『表徴の帝国』ロラン・バルト
アマナ社広報さまインタビューメモ
Out:
カカクコムさまインタビュー記事
ライフネット生命保険広報さまインタビューラフ原稿

昨日の稽古:

拳立て、腹筋