一日の未来予想図



五連休の始まりは独りぼっちである

うちは4階建てのビルの最上階にある。1階2階はお店になっている。だから普段なら、家の者が誰もいなくても、下にはたいてい誰かがいる。のだけれど、今日はシルバーウィークのスタート、なのでお店も休みで誰もいない。すなわち4階建てのビルでたった一人、ぽちぽちと原稿を打っている。


うちの前の通りも人通りはほとんどない。本来ならずいぶんと静かになるはずなのだが、残念ながら近くでマンションの新築工事をしているために、やたらうるさい。それはともかくとして、この家に引っ越してきてから毎朝、続けていることがある。屋上に寝っ転がって一日の未来予想図を頭の中で描くのだ。


これはワタミの渡邉会長に教えてもらった、今日一日を最高の日にするために「絶大なる効果を発揮する(渡邉美樹氏談)」イメージトレーニングだ。具体的に何をどうするのか。


まず朝起きたらすぐにMacBookを立ち上げる。Excelで作ってある昨日のタスクをみて、さて、今日は何をどこまでやればいいのかと確認する。ここでいったん頭を切り換えてワンコの散歩に行く。近所をぶらぶらと30分ほどかけて歩く。歩くと思索が深まるのである、カントは言ったのである。こちらの頭の基本構造はカントとはずいぶんと違うものの、それでも歩くことが何かしらよい影響を及ぼすと信じて歩く。


散歩から戻れば、ワンコを屋上に連れて行く。そしてリードをつないだ後、大の字になってひっくり返るのだ。周りの眺望はうちより高いビルがいくつもあるためきかない。でも、空は青く大きく広がっている。しばしぼやっと眺めた後、目を閉じる。


そして今日やることを思い描くのだ。ここで大切なのは、よいイメージを頭の中に思い浮かべること。たとえば誰かと会う予定があるなら、あいさつした瞬間から話をしているときの様子、そしてどんな笑顔で別れるかといったビジュアル。あるいは何かプレゼンするなら、最初のつかみをどんな言葉で始めて、それがどっと受けて、最後は拍手のしゃんしゃんで終わる。原稿を書く仕事なら、書き出しからさらさらと最後まで書けて、メールでポチッと送信するところ。


要するに、今日やるべきことは、何もかもがうまくいった。よい一日になったんだということを、具体的なイメージで頭に思い込ませる。これが結果的にその一日を本当によい一日にするために「絶大なる効果を発揮する」のだ。


誰にでも効果があるのかどうかは知らない。ただ確実なことが二つある。一つには、ワタミ会長渡邊美樹氏は、これで毎日を極めて快調に過ごされているということ。もう一つは、このやり方を教えてもらって実践して以来、自分の日々もよくなっているということ。よくなっているという表現はあまりにも漠然としているが、毎日寝る前に「ああ、今日もよい日でした。ありがとうございました」と感謝できるぐらいの意味ではある。


このイメトレの何がよいのか。そのメカニズムはわからない。渡邊会長や私(大胆にも並記してしまった!)以外の方に、同じように効くのかどうかも不明だ。が、せっかくシルバーウィークで日頃は忙しい方々も朝、少しは時間があるかもしれないので「こんなやり方もありますよ」とお伝えする次第。


渡邉流イメージトレーニングの意義についてご存じの方がおられれば、ぜひ教えていただけたらとお願いするし、また「そんなに効果があるなら、いっちょまねしてみるか」と思われる方は、その効用のほどをお知らせいただけたらとてもうれしい。といっても、始めてすぐにというわけにはいかないので、焦られないように。


参考までに私の場合でうまくサイクルが回り始めるまでに、だいたい一ヶ月ぐらいかかったことを申し添えておく。


ところで、一つ疑問なのだが、そもそもシルバーウィークなる秋連休はいったい、いつからできたのだろうか。去年もあったのかしらん、そんな記憶がまったくないだけにとても不思議だ。


昨日のI/O

In:
『文章作法入門』中村明
Out:
プランタン・広報さんインタビューラフ原稿
東北新社・広報さんインタビューメモ


昨日の稽古:

カーツトレーニング、懸垂、腹筋、拳立て