取材を受けた記事
- 作者: 竹林篤実
- 出版社/メーカー: ソシム
- 発売日: 2008/12
- メディア: 単行本
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『インタビュー式営業術』についてインタビューを受けた
そのことは以前にも書いた(→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20090514)。インタビュー記事が掲載された業界紙もとうの昔に送ってもらって読んだ。そして昨日、その記事がネットに公開された(→ http://www.weekly-net.co.jp/rensai/cat120/post-63.php)
改めて読んでみて、思うことがいくつかある。笑っちゃうような話で申し訳ないのだが「なかなか、ええこと、言うてるやん」。なんてことをいけしゃあしゃあと書いて良いものかどうか迷ったけれど、ほんと、そう思う。
取材を受けた後だけで実は5回ほど『インタビュー式営業術』について、人前で話をしている。本に書いた内容を柱として、話を聴いてくださる方々の関心に合うように少しずつ展開や盛り込むエピソードを変えているのだが、いや、少し反省である。
このインタビュー記事に書いてもらっているような項目も入れるべきだった。ここで興味深いのは、昨日サイトアップされたテキストを読むまで、取材時に話した内容の一部はすっかりどこかに消えていたことだ。自分でしゃべったことなのに(違うのかしらん?)、まったく覚えていない。どういうこっちゃ、である。
実は、企画仕事やコンサル仕事のミーティング時でも、自分の言ったことをまま忘れたりする。何かアイデアなりプランなりが口をついて出る。その瞬間は「おっ、それナイス!」とか思ったりするのだが、次の話に流れが移るやいなや何も頭に残っていない。
これが何人かが参加するミーティングなら、誰かがメモしてくれている可能性があるから、まだ救いがある。議事録を付けているケースもあり、その場合は安心である。困るのは、例えば相手のトップと膝つき合わせて「さて、どうしよう?」「こうされては、いかがか」などとやっている場合だ。
経営者とこういう形でみっちり話を詰めると、お互いの問題意識が響き合って、かなりいろいろな案が次から次へと浮かんでくることがある。「なるほどぉ、そう考えればいいわけですね」と思わずしらず相手が得心するようなことを口走ったりするのだが、さて。
帰り際に「じゃあ、その線で社内用の説明書をまとめてください」とか言われて、ハタと困ることになるのだ。えっと、私は何を言いましたっけ状態である。
なぜ、こんなことが起こるのかは知らない。若年性アルツハイマーではないのかと、訝しむこともある。もしかしたら、そうかもしれない。そういえば家でもよく責められるのだ「あのとき、こう言うたやんか」と。本人、まったく覚えてないんですけど。
とまあ、これはこれで家庭内ちょっとした騒動になったりもするのだが、仕事上での自己忘却癖がひどくなるとおまんまの食い上げにつながりかねない。理由と対策を自分なりに考えてみるに、まず一つには、ものすごく勝手によい解釈をするなら、離見の見を意識しているからではないかと思われたりする。
つまり当事者でありながら、意識的に当事者を離れるというか。気分は幽体離脱し、議論している自分を含めてめっちゃ第三者的に俯瞰するというか。だから、相手と自分の議論している次元とは違ったディメンジョンからの思いつきが、意外にグッドアイデアとなる(ほんまか?)。
それはいいのだが、自分であって自分でないわけだから、その間のことを自分ではさっぱり忘れていたりする。困ったものである。これと、もしかして同じことが、インタビューを受けたときにも起こったのではないだろうか。
クライアントとの仕事で、自分がしゃべった中身が抜け落ちているのはさすがにまずいので、メモをしっかり意識して取るようにしている。キーワードの一つも書いてあれば、それをきっかけに記憶をたどっていける可能性がある。が、まさかインタビューを受けながら自分で自分の言ったことをメモするわけにはいかない。なので記事を読ませてもらって、すこんと忘れていたことを読んで思い出したという次第だ。
実際、いいことを言っているわけで、これはもしかしたら原稿を書いてくれた物流ウィークリーの村上さんが、相当にすばらしい聴力、筆力の持ち主故に付け加えてくれた可能性が高い。今さらながらですが、本当にありがとうございました。
昨日のI/O
In:
『中空構造日本の深層』河合隼雄
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