京都で半年


引っ越ししてちょうど6ヶ月


半年経ってみて、いろいろ思うことをつらつらと。まず引っ越しで大きく変わったのが、仕事環境だ。以前は自宅の二階が仕事場であった。従って朝、犬の散歩がてら子どもたちを近くまで見送り、朝食を済ませて階段を上がればそれで通勤終了。職住近接ではなく職住一体だったのだ。


が、新しい家ではそうはいかない。本を置くためにも仕事場を別の場所に借りた。といっても家から歩いて5分、これぞほんとの職住近接である。新しい仕事場は四条通に面したマンションの9階にある。さすがに窓を開けているとクルマの音が喧しいが、締め切ってしまえば静かなものだ。


そしてワンルームマンションで基本的に昼間はみなさん、働きに出ていらっしゃるのだろう、とても静かである。横の部屋、上の部屋から物音がすることはない。それどころか私の部屋の前を人が通る気配も、この半年で感じたことが一回しかない。仕事に集中するには理想の環境である。


実際、集中できる。だから仕事場に行くとはかどる。喫茶店やら本屋やらが近場にある故、もっとふらふらとまわりに遊びに行くかと思いきやそんなことはない。9階まで上がってしまうと、下まで降りるのが面倒だったりする。だから昼飯も半分ぐらいは行きがけにコンビニで仕入れるカップラーメンで済ませていたりする。


そして夕方には家に帰る。一つには犬の散歩をさせてやるためであり、その後に家族揃って晩ご飯を食べるためだ。朝は9時ぐらいに仕事場に行き、遅くとも6時ぐらいには家に戻る。何か勤め人時代に戻ったような感じで、これはこれで結構新鮮だったりする。


大きな変化があったのは、外に出るようになったこと。何しろ交通至便である。大阪へ行くにも、東京へ行くにも心理的に近い。大阪なら阪急で40分強、東京なら新幹線で2時間ちょっと。家から駅まで近いことが「ちょっといこか」気分にさせてくれるのだ。クライアントの関係もあって、引っ越してきて以来、東京・大阪に出かける回数が以前の倍ぐらいになっている。


ということは、その間は仕事場にはいないわけで、家賃がもったいないといえばその通りなのだけれど。


あと意外に京都を歩いていない。河原町まで出かけたことが、わずかに数回。大阪から京阪で帰ってきたときもバスで素通りするか、歩いてもすぐに仏光寺あたりに下がってしまう。木屋町を歩いたことなど二回しかない。祇園はゼロだ。まあ健全といえばそうだけれど、それでいいのか。と思わないでもない。


暮らし的には、以前にも書いたけれど『寝所不定』となった。そもそもの原因は腰痛であり、床が堅い方が楽なのだ。そう思ってみると新居にはいろんな寝場所がある。何しろ条件はフローリングでさえあればいいのだから。これまでに約10カ所ほど、いろいろ寝場所を変えてみた。おかげで妙なクセが付き、二日続けて同じところで寝るのをよしとしない。


いま、いちばん寝てみたいのが屋上である。夏の暑い間は「涼しくなったら」と狙っていたのだが、意外に蚊がたくさんいる。と逡巡している間に肌寒くなってきてしまった。ここ数日のうちにチャレンジしないと今年はダメかもしれない。


また堅い床にごろんと横になるメリットはもう一つある。朝の目覚めが嫌でも良くなることだ。どこでも、いつでも寝付きが良いのが自慢なのだが、さすがに木の床の上に直接転がるとなると、寝返りを打つと少し違和感を感じる。そしてふと目覚めたときには「もういいや、ちょっと体も痛いし、さあ起きよ」となるわけだ。少なくとも寝直そうという気にはなrない。故に早起きである。


一つ大きなデメリットとなっているのが、稽古不足であること。できるだけ週に一回は奈良に行こうと努力するものの、いかんせん遠い。往復に3時間以上かかるのがネックになっている。屋上で基本稽古を少ししたり、散歩に行くときにカーツを巻いたり、公園で懸垂をしたり、「眠いときにはふっきーん」とかやってみたりはするのだが、明らかに稽古が足りない。これをどう解消するかが、半年経ってみての課題だ。


もう一つ課題が、せっかく集中できる仕事場を確保したのに、なかなか本を読めないこと。結局、目の前の仕事に追われていて本を読む時間を確保できない。これをどう解消するか。夕食を食べて、もう一度仕事場に引っ返す作戦もありだと思う。


と書いてみてひらめいた。仕事場に寝袋を持って行けば、さらに寝所を増やせるではないか。朝、犬の散歩に戻ってこなければならないのが、少し面倒ではあるが、それでもわずかに5分ぐらいのことだ。これはよいアイデアかもしれない。


昨日のI/O

In:
『絶望の精神史』金子光晴
Out:
某上場企業さま株主通信用原稿
広報さん取材原稿

昨日の稽古:富雄中学校武道場

・基本稽古
・型稽古
・受け返し稽古
・組み手稽古