行きはよいよい・帰りは恐い



行きは阪急、帰りは京阪


その昔、京都大阪間の特急といえば『京阪』と我が家での相場は決まっていた。何しろ京都の入り口七条と、大阪の玄関口京橋間をノンストップで結ぶのである。早いのだ。


しかも京阪特急には夢のテレビカーがあった。電車の中でテレビを見ることができるのだ。って、今にして思えば、いつの時代の話やとなるのかもしれないが、ともかく子どもの頃は京阪特急で京都に行くことこそ休日の一大イベントであり、めちゃうれしい出来事だったのだ。


そして、時は流れて40年。


今や京都大阪間を最も早く結ぶのは新快速となった。これはなんと30分で突っ走る。が、JRはどうも好きになれない。狭軌のせいか、揺れが激しい(ような気がする)。事故のせいか、不安が募る(気のせいだとは思うけど)。なぜか、たいてい座れないような気もする。よって選択肢は京阪か阪急のいずれかとなる。稀にどうしても20分以内に大阪から京都へ戻らなければならないときだけ、新幹線という選択肢もあるけど。


さて、昔なら圧倒的に京阪を選んだところが、京都に引っ越してきてからは阪急を使うことが多い。もちろん烏丸から歩いて数分のところに暮らしている故、阪急が近いことがいちばんの理由ではある。だが、帰りとなると少し事情が違ってくる。本町あたりにクライアントが多いこともあり、それなら淀屋橋まで歩いて京阪に乗ることも有力な選択肢となるはずだ。


淀屋橋からなら始発駅なので、特急で座れる確率も高い。やたら人が多い梅田で人混みをかき分け、狭いホームで並んで阪急に乗るより、御堂筋を歩いて行ける淀屋橋を選んだ方がずっとすっきりする。と思ってたまに乗るのだけれど、ダメですなあ、京阪特急。


何がダメかといえば、車内が汚いのだ。なぜかは知らない。掃除が行き届いていないのだろう。だからシートに座ると、なにか妙なにおいがすることが多い。今日乗った特急などは、窓のところにべったりと寿司醤油の跡がこびりついていた。こりゃかなわんと、枚方で席があいたのを良いことに移動したら、そこでも窓枠のところになにか黒い液体の跡が……。


もちろん、たまたま、という可能性はある。が、思い返してみると、どうも京阪の車内は何かにおいのすることが多い。一方で阪急の特急では、そうしたにおいを感じたことはない。どこが違うのかといわれれば、掃除の仕方が違うのだろうと答えるしかないのだが、さて。本当のところはどうなのだろう。


電車賃でみれば、梅田・烏丸間(阪急)が390円、淀屋橋祇園四条間(京阪)が400円。どっこいどっこいである。所要時間は阪急45分、京阪47分とこれまたほとんど変わらない。沿線風景はといえば、どちらもあまりぱっとしないが、阪急なら長岡天神から高槻市の間、京阪なら八幡から淀の間に眺めの良いところがある。これまた引き分け。


停車駅の数でいえば、阪急が桂、長岡天神高槻市茨木市、十三の4つ(列車によっては大宮と淡路に止まることがある)。京阪は七条、丹波橋中書島、くずは、枚方市、京橋、天満橋、北浜の8駅と、これは京阪の方が多い。


京阪が勝っているのは『おけいはん』のCMぐらい。そういえば阪急のCMを見た記憶がないけれど、やってないのだろうか。あるいはCMなど流す必要もないのかもしれない。もしかしたら、その違いが車内のきれいさの違いと何か関係があるのかもしれない。



昨日のI/O

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『ザッポスの秘密』石塚しのぶ
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