財政破綻のババ抜きゲーム



今年は90兆円超


またまたえらく大盤振る舞いの予算が組まれるようだ。一方では事業仕分けで丁々発止のやり取りが行われていて、無駄の削減に必死な姿もアピールされている。事業仕分けについては基礎知識が何もないのでコメントのしようがない。けれども予算については、どうしてもひと言だけ言っておきたい「大丈夫なんでしょうか、このままで?」と


もちろん、国債を増発しないことには二進も三進もいかないことはわかっている。同時に国家財政が抜き差しならない状態に落ちっていることも十分承知しているつもりだ。そこで思い起こされるのが、昨日書いた日航の件である。


日航すなわち日本航空はその名の通り、日本のフラッグシップだった。半分国営みたいな会社である。だから、これまでにも何度もあった経営危機をさまざまな形の資金援助で乗り切ってきた。その代わりにと言っては何だが、いろいろな無理難題を聞いて採算の絶対に合わない路線にもきちんと飛行機を飛ばし続けた。


この際、給料水準がどうだったとか年金が異常に高いということは、ひとまず措く。何よりの問題は経営者の意識ではなかったのか。要は国が面倒を見てくれているのだから、これまでの経営者は誰も真剣に経営のことを考えていなかった。経営者一人の問題ではなくて経営陣すべてが、とぐらいに言った方が当たっているのかもしれない。


もちろん経営状態がとんでもないことは、わかっていたはずだ。と想像するしかないのだけれど、もしかしたら財務諸表を見せられてもピンと来ない方たちが経営陣を占めていたのかもしれない(まさか、そんなことはないと思うけれど)。


でも、わかっていたのなら、もっと罪は大きいだろう。早い話がこれまでの経営陣は、みんなババ抜きゲームに参加している、ぐらいのつもりだったのではないか。このままで飛行機を飛ばし続けたら、いつかはどうにもならない状態になるだろうことはわかっている。としても、そのXデーはたぶん、自分の在任中には来ない。万が一、そうなっても国がババを引いて尻ぬぐいをしてくれる。そんな風に思っていらっしゃったのではないか。


という構図が国家財政を担う方たちにも当てはまらないことだけを、ひたすら祈りたい。財務省エリートの方たちならさすがに数字を読めない、なんてことはないはずだ。


ものすごく単純に考えるとこうなるわけだ。収入400万円の家庭が900万の予算を組んで家計をやりくりする。当然お金が足りないから500万円は借金でまかなう。そして900万円のうち、半分ぐらいはこれまでに積もり積もった借金の返済に回さなきゃならない。その借金は総額が9000万円ぐらいになる。数字は正確ではないけれど、ざくっとこんな計算だろう。


そして悪いことに収入が今後増える見通しは、今のところない。それどころか減る可能性の方が極めて高い。幸い9000万円の借金の出しては、とても優しい人たちなので、誰も金返せとは言わない。だから屋上屋を重ねるような借金もさせてくれる。けれども、それがいつまで続くのか。


もちろん財務省切れ者たちは、この普通に考えれば絶望的な状況を一気にチャラにする秘策も考えておられるに違いない。が、それは劇薬である。だから伝家の宝刀として最後の最後まで抜くことはできないだろう。だから、そんなババ引き役は誰も進んでは務めない。


そう、ここでももしかしたらババ抜き体質が染みついていて、誰かがいつかはババを引くことはわかっているけれども、それが自分ではないと、みんなが思っている。思っているうちに日航みたいなことになる、なんてことだけはないと思いたい。


だって日航が傾いたときには国が助けてくれるけれども、国が傾いたときには、一体誰が助けてくれるというのか。ということがわかっているスマートな方たちは、とうの昔に自分の財産だけは海外に移している、なんて話も、確かシンガポールに住んでいてスイスでプライベートバンカーをやっている人から聞いたことがある。


ほんまか!


それにしても今の日本は本当にババ抜き体質になっているように思うのだけれど、いつからそんなふうになっちゃったんだ?

昨日のI/O

In:
谷川俊太郎の33の質問谷川俊太郎
Out:


昨日の稽古:

・ジョギング
・腹筋、拳立て