今年もたくさんお仕事させてください
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テープ起こしから原稿の下書き、何本か書いているブログにしつこく出し続けているメルマガ、そして依頼していただいた原稿の数々に加えて、企画書の原稿などもすべてひっくるめて書いた文字数は、昨年一年で300万字弱となった。
目標は一日一万字だったので、達成率にしてざっと82%というところ。今年はこれを何とか達成したいと考えているのだけれど、そのためには二つの課題をクリアしなければならない。
まず何よりも大切なのは受注量を増やすこと。これだ。
文章にしまりを持たせるためにも、何らかの対価をいただきながら書くことが大切だと思っている。もちろん対価とはリアルなお金だけを意味するわけじゃない。
このブログを貴重な時間を使って読んでいただいていること自体が、実は何よりの対価だ。なぜなら、その一人ひとりの読者の時間は何物にも代え難い価値があると思うから。だから、そのためにも「読んで良かった」「何か少しでも気づきがあった」と思ってもらえる文章を書きたいと強く思う。
そのためには、どんな文章も書き捨て、書き投げしちゃダメだと思う。この点はブログに対する考え方が以前とは少し変わってきている。あくまでも自分のブログではあるけれど、自分以外にも読んでくださる人がいることを慶賀として書くこと。これを今年は心がけていきたい。
なぜ、そんなことを思うようになったかといえば、年末に読んだ『作家の愛したホテル/伊集院静』から深い感銘を受けたからだ。伊集院氏が世界のホテルを旅して回り、その土地土地で得た思いをさらっと綴った文章は、なぜか読んだあとに「うん、自分の時間を費やしてこの本を読んで良かった」と思わせる力を持っていた。
これはと思い、以前読んだ伊集院氏のエッセイ集、たとえば『神様は風来坊』とか『あの子のカーネーション』などを引っ張り出してみると、やはりどのテキストからも同じような読後感を受ける。これらのエッセイ集はいずれも週刊誌に連載されていたもので、冷静に見れば、それほど深い内容のあることが書かれているわけじゃない。けれど、毎回、読んで良かったと思える文章ばかりなのだ。
そういう文章を書ける人を文筆家と呼ぶのだとすれば、自分も何とかその末席に連なりたいと思う。だから、文章を書く時間を大切にしたい。何だかまとまりがないが、そういうことである。
受注量を増やしたいのには、もう一つ理由がある。今の生業は大きくわけて二種類、一つは人の話を聞いて文章にまとめること、もう一つが相手は主に経営者になるが、やはり人の話を聞いてそれを企画にまとめたり、あるいは何らかのアドバイスをして差し上げたりという仕事である。
いずれも人の話を聞くことから、仕事はスタートする。だから受注量が増えれば、それだけたくさんの方から話を聞けることになる。さまざまな人のいろいろな話をインプットすることが、自分がアウトプットする文章の内実を充実したものにしてくれるのは、間違いのないところ。だからたくさん仕事をできれば、それは相乗的な効果を自分の内面にもたらしてくれるはずだ。
この月末でついに五十歳を迎える。幸いにして今のところ衰えがひどいのは目だけ(頭は昔からということで)ではあるけれども、どこにいつどんなガタが出ても、文句は言えないような人生を送ってきたわけだから、この先何が起こるかはまさに神のみぞ知るわけだ。であるならば、無駄にできる時間などもう残されていない、ぐらいの気合いを以て時を過ごすことが必要なのだと思う。
そのためにも仕事をすることが大切なのだ。
そしてたくさん書くためのもう一つの課題は、体調管理だ。具体的には頭をいつもすっきりさせておくことと、肩こりや腕の痛みを何とかすること。そのためには正しい稽古が必要だ。
正しい稽古とは、自分をきっちりとした型に押しはめることを意味する。そもそも何の鍛錬も受けていない体は、自分の体のくせに従った動き方をしたがるものだ。そのくせに従うと、ほぼ間違いなく体のどこかに偏りを生じることになる。そのままで長年過ごすと、その偏りはやがて体の動きに何らかの滞りをもたらすようになる。
これを矯正するために、利用できるのが武道の動きだ。だから、きちんとした動きにこだわった稽古をすることで、体の歪みが矯正され、歪みが元で起こっている肩こりなどは軽減されるはずである。それが結果的には無駄のない動きにつながるのであり、歳相応の速さや強さとしても結実していくのが武道本来の姿なのだろう。
この武道本来の動きを求めながら、自分の体を一度弛めて組み直し、より多くの仕事をより高いレベルでできるようにすることも、今年の課題である。何かをマスターするには、そのテーマについて人に教えるのが一番だというのは、何事にも共通するわけで、だから『ビジネスパーソンのための肩こり解消とストレス発散のための空手教室』をできる限り早く立ち上げたいとも思う。
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昨日のI/O
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『黄泉の犬』藤原新也
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