副編集長賞




R+さんのコンテストで『クーリエ・ジャポン3月号』についてレビューを書いたら、副編集長賞をいただきました。


【副編集長賞】


だそうです。【選評】にいわく

特集をじっくり読み込んで考えたことが伝わる、知的なレビュー。

とほめてもらいました。とってもうれしい。


該当ブログは「ポスト・アメリカの世界はどうなるのか?(→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20100220/1266633524」。ぜひお読みください。


オバマ大統領のアメリカが、どう「Change」しているのか。こんなテーマについて書きました。今のアメリカのChangeは、どうも二種類あるようです。一つはオバマ氏による主体的なChange、もう一つはオバマ氏以前から続いているトレンドとしてのアメリカのChange。


二つ目のChangeは、エマニュエル・トッド氏がすでに予言しているとおりの状況へと変わりつつあるのではないか。トッド氏の予言を要約するなら、アメリカの弱体化となるでしょう。この流れをトッド氏は不可逆的な動きとして捉えています。


その実例が『クーリエ・ジャポン3月号』に多面的に取り上げられています。例えば17%にも上る失業率であり、毎日2万人ペースで増え続けているフードスタンプ(食料配給券)を受ける人の増加であり、医療難民問題であり、大学入学に関する格差問題です。こうした問題がアメリカでは、悪化の一途をたどっている。


その中で唯一オバマ氏が、悪化になんとか歯止めをかけたのが医療問題でしょう。つい昨日、オバマ大統領の署名により成立した医療保険改革法案こそは、オバマ氏によるChangeの象徴といえるのかもしれません。この法案は確かにアメリカ史上初の国民皆保険制度といえるのかもしれないけれども、本来オバマ氏が意図していた内容からはずいぶん後退している。


つまりオバマ氏のChangeは、衰え行くアメリカを何とか延命させるための動きではないのか。そして、そのChangeはもしかするとすべてが中途半端なChangeで終わるのではないか。そんな予感がします。


とはいえ、弱体化するアメリカをオバマ大統領は、何とかChangeしようとしている。これは間違いないと思います。翻って日本はどうなのか。「鳩山首相オペレーションズ・リサーチの専門家だから、常にさまざまな変数を考慮に入れた上で最適解を模索しているはずだ」と、これが佐藤優氏の見立てです。


とりあえず普天間問題に対して、最終的にどのような判断を鳩山首相が下すのか。今はここに注目するしかないのでしょう。いずれにせよ、あと一ヶ月ほどで鳩山首相の決断が出る。そのときに今度はアメリカではなく、日本の変化の方向性が明らかになるはずです。



昨日のI/O

In:
『忘却の整理学』外山滋比古
Out:
S社株主報告書原稿

昨日の稽古: