早朝サイクリング

26キロを80分


ちょっと休みっぽいお話。天気がよいので、早朝サイクリングに出かけた。京都市内を北東に抜けて、宝ヶ池から八瀬の先、大原の手前まで国道367号線を走る。


スタートは朝5時。時おり、新聞配達の人とすれ違う。朝まで飲んでまだ飲み足りないのかしらん、何かを飲みながらふらふら歩いている人がいる。まだ夜は完全に明けきっていなくて、白い紗をかぶせたようなもやが街を包んでいる。


タクシーが、まるで赤信号で止まったら損をする、といった勢いで突っ走っていく。風はまったく吹いていないけれど、空気はひんやりとしていて、まだなにか新しい。昨日の京都にはおそろしいぐらいのクルマが押し寄せていたけれど、それでも一晩の間に排気ガスで汚れた空気の、その粉じんだけはどこかに行ってしまうようだ。


時々すれ違ったり追い抜かされたりするクルマの音以外に聞こえてくるのは、自分の自転車のタイヤが路面に接して立てるノイズだけだ。まだ、人が動き出す前の街にもの音はほとんどない。


京都の街は、北に向かって微妙な上り勾配がずっと続いている。東大路ぐらいの広い通りなら、たぶん500メートルぐらい先までを見通すことができるが、道が上っているようにはまったく見えない。ところが足は敏感に坂を感じる。トップギアで走り続けることができない(もっとも、これは自分の脚が弱いせいもあるのだろうけれど)。


宝ヶ池の先から八瀬へ、道は徐々に本格的な坂道に移っていく。といっても勾配そのものは緩やか、決して心臓破りの坂というわけではない。でもしつこいのだ。だらだら坂がずっと続く。ギアを少しずつ軽くしていく。一番軽いギアに変えて、5分ぐらい走り続けると、ようやく一段落する。


昔の八瀬遊園のあたりから平坦な道に戻る。と思ったらすぐにまた、だらだらの上り道に。気温は、家を出たあたりに比べると、2度ぐらい低いようだ。時々、クルマが猛スピードで追い抜いていく。ごていねいにクラクションを鳴らしていく人もいる。ちょっとびっくりする。


途中で旧道に入る。ここがまた上り。上り、上り、上りを我慢して走っていると、不意に下りになる。それまで足に重りをつけてペダルをこいでいたような感じが、今度はまったく抵抗がなくなる。大原への最後のヒルクライムの手前で、今日はダウン。ここまでノンストップで50分かかった。


コンビニでポカリを買って飲む。それほど汗はかいていないけれど、体はひからびた感じがする。飲んだポカリが、体の隅々までしみ通るような気がする。ひと休みして、元来た道を今度は下っていく。


速い。片手を離すと、車体がぶれ出すぐらいにスピードが出ている。トップギアでがんがんこいでいく。ペダルの回転がスピードに追いつかないぐらいの速さは、この自転車では初体験だ。上ってくるときには20分ぐらいかかった宝ヶ池からの道のりを5分ぐらいで駆け下りる。


市内に入ってからも、基本的に今度はだらだら下りになる。ずっとトップギアで走る。結局、上りの往路が50分、下りの復路は25分ぐらいだった。早朝サイクリング、結構はまりそうな予感がする。


昨日のI/O

In:
『考えるヒント』小林秀雄
Out:

昨日の稽古: