海外で仕事するなら



1位シンガポール69%


日本が財政破綻したら、どうするか。

求人サイト運営のビズリーチが実施した年収1000万円以上のビジネスパーソンを対象とした調査で、「日本が財政破綻した場合、海外での仕事を探す」との回答が半数に上った(日経産業新聞2010年7月23日付23面)


そして、働いてみたい国は1位シンガポール、2位がアメリカで64%、中国が3位で続いて49%となっている。


とりあえず、このビズリーチというサイトにアクセスしてみて、まず驚いた(→ http://www.bizreach.jp/)。キャッチフレーズが「ヘッドハンターを選ぶ時代」である。ふ〜ん、そうなのか。なんと、このサイトでは、年収1000万円以上の転職・求人情報など紹介してくれるらしい。年収一千万!


日本の労働市場で、二極化が進んでいることをまざまざと見せつけられる思いだ。方や、京都大学を出ていてもphaさんのような人もいる(→ http://d.hatena.ne.jp/pha/20100723/1279838095)。まあ、人それぞれと言えば、それまでのことではあるが、こうした格差が世の中にかくも顕わになっていることが、ネット時代の特長の一つなのだろう。


それはさておき。さすがに年収1000万円以上を稼ぐ人たちは「日本がダメになったら、海外で働けばいいさ」と、さらりとおっしゃるところがすごい。彼らは一様に二つの自信を持っているのだろう。


まず、日本語以外の語学でも、ビジネスに必要なコミュニケーションを取れる自信があるということ。だからこその年収1000万円以上ということなのかもしれない。深読みするなら、語学の一つもできないようでは、年収1000万円以上は遠い世界になるということか。


さらにすごいと思うのが、自分のビジネススキルが、海外でも通じると信じていることだ。もちろん、その裏付けとなっているのが、これまでのキャリアであることは言うまでもない。一体、どんなキャリアを積んでいれば、こうもきっぱりと言い切れるようになるのか。


マーケティング関連、あるいは金融関連、コンサルティングなど、ある程度普遍性があり、かつ専門的な研鑽を積んでいれば、任地に関わらずプロとして認められやすい職種だろう。


という未来が選択肢の一つしてあるなら、いまの日本の中学生ぐらい以下の子ども達は、どうすればよいのだろうか。


とりあえず地頭を鍛えること、少なくとも英語はそこそこ身に付けておくこと。この二つは必須となる。さらには、徹底的にハングリーで、勉強することこそが豊かになるための近道と信じて疑わない、中国をはじめとする新興諸国の子ども達に、負けないようながんばり力を養うこと。


と考えると、彼らを取り巻くいまの日本の環境は、彼らにとってはあまり好ましいものとは言えないのではないか。今どきの日本で「ハングリー」などと言っても、死語扱いされるのがオチだろう。何もかも「スマート」が好まれる先進国なのだから。しかしスマート対ハングリーが生存競争をした場合、どちらの勝つ確率が高いか。


もっとも日本が財政破綻しなければ、あえて海外で働く必要はないか、といえば、そう安穏ともしていられないはずだ。誰にでもできる仕事は、どんどん海外に回されるようになる。そもそも日本企業が、いつまでも日本にいるとも限らない。


という状況を考えれば、やはり「いつでも、海外で平気で働ける」ぐらいの能力を身に付けるように、できる限り早い時期から意識する必要はあると思った。



昨日のI/O

In:
『絵で読む漢字の成り立ち』金子都美絵
Out:
神戸医療センター取材原稿
O社事業報告書用原稿

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