ツイッターの使い方/京都朝勉第四回



6ヶ月で6万人


昨日、第四回の京都朝勉を開催した。場所はいつものホリーズカフェ・四条室町店、時間もお約束の朝7時30分から。今回のお題は『ツイッターTwitter)』、講師はツイッターについての研修を各地で実施されている井上さんだ(→ http://twikyoto.ning.com/profile/kyotofreak)。


個人的には、ツイッターに苦い思い出がある。もう2年以上前の話、ツイッターについて無知なままに、いささか暴言めいた記事をとあるサイトに書いたところ、見事に炎上した。だから、ツイッターの存在自体は割と早くから知っていた。今年になって急にはやり始めたこともわかっていた。そこで一応、恐る恐るという感じでアカウントを取り、ぽちぽちつぶやいたりもしていたのだ。


その間には、レビュープラスさんの厚意で、ツイッター関連の本を二冊もいただき、そのレビューを書かせてもらったりもした。が、未だにメリットがよくわからないのだ。確かにデルがツイッターを使って3億円もの売上を稼いだ、なんてニュースは知っている。あるいは飲食店などがツイッターで集客していることも、日経MJ新聞で何度か目にした。


しかし、である。自分にはまったくピンと来ない。最初は、ツイッター上の有名人を片っ端からフォローしてみたこともある。勝間さんとか広瀬さんとかホリエモンとか鳩山さんとか、とかとか。でも、そんな人をいくらたくさんフォローしても、自分のフォロワーが増えるわけじゃない。有名人のつぶやきが、参考になるかと言えば、必ずしもそうとは限らない。


ツイッター本を読むと、フォロワーが増えてこそのツイッターとある。たくさんフォロワーがいるから、例えば「これから渋谷でビールでも飲むなう。誰か、一緒に来ませんか」などとつぶやくと、それこそ一気に10人ぐらいが集まったりするわけだ。これがフォロワーがせいぜい100人程度で「京都で朝勉やりますから、いらっしゃいませんか」と声かけしたところで、誰一人やって来やしない。


そこのところ、実際はどうなのだ? と昨日の話を聞いてみて、実に合点のいく話を聴けた。井上さんの話は、自らの経験に基づいているだけに、深く、しかも鋭くポイントを突いた内容だった。


そこで冒頭の数字に戻るのだが(えらく前置きで引っぱってしまって申し訳ない)、井上さんが本格的にツイッターに取り組んだのが、今年の2月から。その頃150人だったフォロワーが、今では6万人に増えている。もちろん、自然発生的に増えたわけではない。意図的に、努力を重ね、それなりに時間もかけての結果である。


6万人といえば、まったく勝手な推測だが、日本のフォロワー数多い人ランキングでいえば、まず上位3%ぐらいに入るだろう。とはいえ、井上さんはいわゆる有名人ではない。かといって「ただの人」でもない。30代ですでにウェブコンサルの会社を経営されている起業家である。その井上さんでさえ、フォロワーが多いからといって、ビジネスにダイレクトにはね返るようなプラス効果があったとはいえないという。


もちろん決してムダではない。実際に、各地でツイッターの講師を務められていて、それはパーソナルブランディングには確実に役立っている。リアルなビジネスを進める上でも、フォローとなっているはずだ。


しかし、何より井上さんにとってのツイッターは、人とのコミュニケーションの入り口としての機能が大きいのだという。例えるなら「街ですれ違って、ちょっと目が合う」ぐらいの役目を、ツイッターは果たしてくれるのだ。


その先、もう少し深い関係性を持ちたいと思った相手なら、ツイッターで声をかける。そして例えば自分のブログに来てもらう。ブログを見てもらって、さらにコミュニケーションの密度を濃くしたい場合は、自社のサイトへと誘う。リアルに例えるなら、食事にでも誘うような感じだという。


何でもないようでいて、ツイッターからスタートするステップの過程で、相手と自分との距離は確実に縮まっている。だから、ビジネスにつながる確率が高くなる。仮にツイッターでの出会いがなければ、サイトまで来てもらう難度は、確実にぐんと高くなる。


飲食店のオーナーなら、最終目的は実際にお店に来ていただくことになるわけだ。昨日の勉強会には飲食店経営者の方も参加されていて、彼は「ツイッターで交流のある方が、わざわざ東京や九州から、店をたずねてきてくれる」とおっしゃっていた。


まとめるなら、ツイッターを始めたからといって、すぐに何か目立った効用が得られるわけではない。ある程度のフォロワーを集めることは、絶対に必要な作業である。しかし、フォロワーの数が閾値(2万から5万ぐらいだろうか)を超えると、ツイッターはある種のコミュニケーションの入り口には確実になる。これが、昨日得た学びだ。


ちなみに井上さんは、個人で「ツイッター都交流会」というSNSサイトも運営されている(→ http://twikyoto.ning.com/)。ツイッターや井上さんに興味を持たれた方は、ぜひ、一度アクセスしていただければと思う。


また次回の京都朝勉では『ソーシャルメディア(もしくはフェースブック)』をテーマに取り上げる予定。興味のある方は、ぜひ、参加していただければと思う。


昨日のI/O

In:
ローマ人の物語1』塩野七生
Out:
書籍企画あらすじ・登場人物キャラクター

昨日の稽古:

ストレッチ・腹筋