15年間の歴史



このエントリーは、R+さんから送っていただいた献本『マックピープル12月号』についてのレビューです。


ハードディスク100ギガバイト


そんなことをきちんと計画しないと、いけない時代だったのだ。2002年、今から8年前の話である。今号のマックピープルは、Mac OS X LionありMacBook Airありと興味深い新製品の記事がトップを飾っている。これはこれで、いたく好奇心を刺激される。特にAirは欲しいと強く思った。


が、今号で白眉となるのは年表「MacPeople15年の軌跡」だ。ハードディスク100ギガバイトって、何のこと? それほどたいそうなことなの? と思われる方がいらっしゃるかもしれない。が、これは確かに大したことだったのだ。


残念ながらこの年表が辿ってくれるのは15年前からの歴史だが、さらに少し前まで時間を巻き戻せば、ハードディスクは1ギガバイトあれば「すっげぇ〜」時代もあったのだ。


独立して最初に手に入れたマシンがMacintosh2fxである。80万円もしたこのマシンに積まれていたハードディスクが1ギガバイトだった。ハードディスクですよ、メモリーじゃないんですから。納品されたマシンを立ち上げて、HDが1GBとなっていたときには、購買元に電話したくらいだ。要するにえらく少ないじゃないかと抗議したわけだ。それまで使っていたMacのHDは3桁だったから、一ケタとはあまりにおかしいじゃないかと。


今、この原稿を書いているPowerBookProはメモリーが4GBある。2fxのメモリーは32MBだった。メモリーは、この20年ぐらいで100倍以上になり、にもかかわらず価格については2fx+21モニターが200万ぐらいしたから、PowerBookProはその20分の一になった。


という昔話は、現在のマックピープルのターゲット読者からすれば、年よりの与太話でしかないのかもしれない。ただ、この間の技術的な進歩は恐ろしい物がある。いまMacBookProだのiPadだのを使っておられる方は、ほんの少しだけで良いから、自分たちが使っているマシンがどれだけすごいかを意識されてもいいのかもしれない。ムーアの法則は確かに間違いないのだ。


そうした単なる懐古趣味を離れて考えても、この年表は参考になる。例えばGoogleがサービスを開始したのは1998年である。あるいはTwitterは4年前から始まったサービスである。しかも小泉純一郎氏が総理になったのが2001年であるとかもわかる(総理就任が記されているのは、なぜか小泉氏と鳩山氏だけだが)。


という時代を振り返る記録としても価値がある。今号のマックピープルは資料としても実に貴重な物だ。

昨日のI/O

In:
『ことばと思考』今井むつみ
Out:


昨日の稽古: