菅首相のネット番組出演
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これは上の写真の記事の面積比。小さい方から日経産業新聞2面、毎日新聞2面、京都新聞5面、いずれも今朝の朝刊だ。記事の中身は、昨夜の菅首相のインターネット番組(→ http://www.videonews.com/on-demand/501510/001636.php)から。
各紙の取り上げ方があまりにも象徴的だったので、おかしかった。そして象徴的といえば、これほどまでに今のマスコミが置かれている立場を示した出来事も珍しいのではないか。
このネット番組では、一国の首相が「衆院選公約は見直し」と極めて重大な発言をしているのだ。その内容を、ズバリ書いているのが京都新聞。同紙は、そのネット番組が、インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」だと出所も明記している。ちなみにサブの見出しでは「(首相)全部達成は困難」とまで記されている。
これが毎日新聞となると、出所は「インターネット放送の番組」とトーンダウンする。しかし記事の見出しは「マニフェスト見直す」となっていて、記事本文も放送内容を一応きちんと伝える内容だ。
では、いちばん扱いの小さかった日経は何を書いているのか。「なえるけど辞めない」とイラスト入りで書かれているだけで、肝心の(と個人的には思うのだけれど)公約見直しには、一切触れていない。こちらが読んだのは日経でも14判だから、別判ではきちんと書かれていたのかもしれない(もし、ご存じの方が折られるなら教えていただければ幸いです)。
まったく勝手な憶測だけれど、記事を書いた日経の記者は「何が悲しゅうて、わしがネット番組なんか見て、記事を書かなあかんねん」と思ったんじゃないだろうか。さらに推測を重ねるなら、その背景には次のような心理がありはしないか。
すなわち、国民の『ため』になる貴重な報道をすることこそ、大マスコミの役目であり、ネット上を行き交う有象無象のいい加減な情報など信頼するには値しないのだ、と。
だから、日経ほど大マスコミ意識のない地方の京都新聞(京都新聞さん、他意はないです。もし気を悪くされたならごめんなさい)は、ネット番組を見て、素直に「これは、菅さんが大変なことを言っている」と思い大きく扱った。毎日新聞は「こんなことをネットで先に発言されたのは悔しいけれど、とはいえ無視するわけにはいかんなあ」ということで署名記事にした。
と読んだのだが、穿ちすぎだろうか。
でも、小沢さんが先鞭を付けて、菅さんがそれに続いたことの意味を、このあたりでしっかり考えることは大切だと思う。あるいは広島市長が、退任表明をyoutubeにアップして、マスコミの取材を受けなかった意味も。また奇しくも日経だけが記事に書いているのだが
現職首相としては初となるネット番組の生出演。「生の姿を伝えたい」として予定の出演時間の1時間を20分もオーバーした(前掲紙)
意味を、マスコミ各社は考えるべきだと思う。
著名人が自分の考えを発表する際には、勝手に編集されない、youtubeやネット放送などのメディアを活用する。一般人でも何かをカミングアウトするなら(あるいは告発するなら)、まずネットという流れができるつつある。といえば、ツイッターから広まり、テレビや新聞が後追い報道したおせち騒動などもまさにそうだ。
こうした流れは明らかに、従来型マスコミの終わりの始まりを示しているのだと思う。
昨日のI/O
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『誘拐』ロバート・B・パーカー
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