被災者と共に生きる


合計1000人


佐賀県武雄市では、今回の震災の被害者を受け入れるという。佐賀県武雄市である。といわれて、その町がどこにあるのかを瞬時に理解できる方は少数派だろう。話題になるはずだった(3月12日、実にひっそりと開業した)九州新幹線に乗れば、新鳥栖駅が最寄りである。そこからローカル線に乗り換えて、1時間ぐらいで武雄温泉駅に着く。その武雄市である。


人口5万人に過ぎない温泉町が武雄だ。ここで人口の2%にあたる1000人の被災者を受け入れるという(→ http://hiwa1118.exblog.jp/13145958/)。ホームステイである。たまたま今朝方、武道関係でのお知り合いが、被災者を関西で受け入れてはどうかと提案されていた。その方は、mixiの日記に次のように書き込まれていた。

集団疎開
2011年3月16日 9:38 元 龍貴さん作成
東北地方太平洋沖地震」にかかる被災地の支援について
http://www.pref.osaka.jp/koho/tohoku_jishin/index.html

東北地方太平洋沖地震の被災者等の大阪府公立高等学校への受入れ
http://www.pref.osaka.jp/kotogakko/gakuji-g3n/index.html


てゆ〜か、そろそろ被災者を千人万人何十万人単位で受け入れる方針でも発表したらどうよ。
わざわざ苦労して被災地まで行って行き届かない援助をするよりも、年寄り女性乳幼児を連れて来てまとめて面倒みるほうが効率的にもコスト的にもええやろ。
こっちには体育館公民館など空いてる施設なんかなんぼでもあるんやで。
銭湯もあるがな。
風呂にも入ってもろて、地震の揺れのないところでゆっくり休んでもらえや。
大阪が言うたら、兵庫も京都も奈良も追随するで。
こっちから行かれへんねんから、連れて来たらええねん。
政治家にツテのある人は意見を言うてやってくれ。


これを読ませてもらって、すぐにツイートした。おそらく同じことを考えている人は、樋渡・武雄市長をはじめ他にもたくさんいたんだなと思う。武雄市だけでなく、大阪府橋下知事も被災者の受け入れを表明されている。もちろん、被災者みんなを、という話ではない。


地元に残りたい方もおられるだろうし、残ってもらわないと困る人もいるはずだ。それは一つの生き方である。とはいえ住む家はおろか、暮らしていた町が根こそぎなくなってしまった方もたくさんいる。急ピッチで復興作業が進められるとはいえ、一ヶ月やそこらで町が元通りになるはずもない。それほど、津波は完璧に町を消し去った。


であるなら、少なくとも電気、ガス、水道に通信手段などのインフラの整った土地で、ゆっくり休んでいただく選択肢はあっていい。子どもたちのための学校が再開されるのも、当分先の話となるだろう。それもホームステイ先で受け入れてもらえるはずだ。


武雄でのホームステイ受け入れは、最低でも2週間以上だという。それまでの人生のすべてを失ってしまわれた方々にとっては、わずか2週間に過ぎないとは思う。それでも、まだ雪が吹きすさぶ被災地で凍えているよりは、人の温かみに触れている方がよほど気持ちが落ち着くのではないか。


また、今回の震災は、間違いなく日本に想像できないほどの大ダメージをもたらすだろう。すでに夜の東京では、人通りも途絶えがちで飲食店が軒並み閉まっているという。日本一外食率の高い東京でさえ、そうなのだ。これから先、飲食やサービス業が倒れ、そこから将棋倒しのように日本全体が崩れる恐れだったある。


それを防ぐのは、被災しなかった私たちの義務だ。今まで以上に仕事をがんばり、寄付に回すだけのお金を稼ぎ、税金も従来よりたくさん払い、多くの価値を創出して対価を得なければならない。そうやって一人ひとりが、がんばって、何としてでも日本経済を回していくしかない。


そのためにも被災者と共に生きるべきなのだ。身近に被災者を感じることが、がんばるための励みにきっとなる。


だから、一つでも多くの自治体が、被災者受け入れに動くことを願いたい。仮に武雄のように人口の2%程度を受け入れていけば、十分というか余りすぎるぐらいである。首長さん、どうぞ、よろしくお願いします。



昨日のI/O

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金沢工業大学教授取材ラフ原稿

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