京都ブレックファーストクラブ


「その方が、相手にやさしいでしょう」


1時間半の朝食会の間に、同じセリフを二回、耳にした。セリフの主は曽和裕次さん、コンセプトグラマー有限会社(→ http://www.conceptglamour.com/)の社長さんであり、朝食会の主催者である。


ちなみに曽和さんは、最近「京都朝げいこ」と題して、7時半から座禅をしたり、ヨガを教えてくれるイベントを仕掛けられてもいる。ご本人は毎朝4時に起きるという、典型的な朝型人間だ。その朝型・曽和さんの京都ブレックファーストクラブ(→ http://choshokukai.jp/)にお邪魔してきた。


クラブといっても、入会規則があるわけじゃない。ただ、指定された時間に、決められた場所に集まって、何となくしゃべるだけ、である。そんな朝食会で話が盛り上がるのだろうか、とか、参加するメリットが何かあるのだろうか、といぶかる方もおられるかもしれない。


ところが、これが、話は盛り上がるし、楽しいし、いろんな気づきをもらえるし、人脈が広がるし、何より居心地がよいのだ。


今日の参加者は10人ぐらい(途中で入ったり、抜けたりして全然オッケーなのだ)。新参者は私一人だったようだけれど、全然、違和感は感じなかったし、ちょっと大げさに言えば孤独感も味わうことはなかった。実は聞くことを生業としているがために、こういう集まりではついつい黙ったままになりがちで、それではあまり楽しいはずもなく、それ故に、自分から参加することは滅多にないのだけれど、今朝は違った。


曽和さんが、実にうまく場を回してくださるのだ。その曽和さんの話の中で出てきたのが、冒頭のセリフ。一回目は、曽和さんが今年から取り組んでいるパワーランチの話の中でだった。パワーランチとは、相手のところまで出向いていき、相手が勧めてくれるお店で、自分がご飯代を出して、一緒に食べるイベント(?)である。


そこで相手との顔つなぎができれば良し、ちょっと疎遠気味だった方に自分を思い出してもらってなお良し、話の中でビジネスにつながるネタが出れば、もう最高! といったパワーランチ年間百本ノックを、曽和さんは今年のノルマとされている。


なぜ、相手のところまで出向いていくのか。誰だってお昼ご飯は食べる。ビジネスパーソンなら、たいていは仕事場の近くで食べる。それなら「どこかで、お昼でもご一緒しませんか」と誘うより「事務所のお近くの店を紹介していただけませんか」とお願いする方が、相手にとってやさしいオファーになる。


何か事を起こす時には常に『どうすれば、より相手にやさしいか』を考えるのが、曽和さんの思考の起点なのだろう。


二回目の「相手にやさしい」は、名刺の話の時に出てきた。曽和さんは、実にユニークな名刺を作られている。この方にとっては、決して、たかが名刺じゃないのだ。名刺の役割とは、目の前にいる相手が、仕事場に帰ってから、自分のことを思い出してくれることにある。これまでに交換した名刺をふと眺めた時に「そういえば、曽和さんは………」と、思い出してもらうための大切なメディアなのだ。


だからコストをかける。工夫を凝らす。そして、思いを込める。


実際、特許ものの名刺は、一枚あたり500円ものコストがかかっている。ネットで注文すれば、安いものなら1枚10円ぐらいで名刺を作れる時代に、その50倍もの手間暇お金をかけている。だから、印象に残る。それぐらい考え抜かれている。


その名刺の説明を聞かせもらっていて
「よく、そこまで考えますね」と言ったら
「だって、その方が、相手にやさしいでしょう」と曽和さん。


これが二回目の「相手にやさしい」発言である。もう、おわかりだと思うけれど、この京都ブレックファーストクラブは、曽和さんのお人柄が反映されていて、参加する人に実に「やさしい」集まりなのだ。だから居心地が良い。だから曽和さんのまわりには人が集まる。


人が集まる人は、人にやさしい人。


当たり前のことの大切さを、思い出させてもらう機会になった。ありがとうございました。また、来月も、よろしくお願いします。

昨日のI/O

In:
『型』源了圓
Out:
O社IR原稿

昨日の稽古:

肩ほぐし、懸垂、ジョギング