高齢者がばんばんネットを使うとき


2012年問題をご存知だろうか?


マヤの暦で予言された地球が滅びてしまう年、ではなく。2007年頃から景気回復期待を受けて、大量に建てられたオフィスビルが完成して供給過剰になる問題でもない(それも問題あるとは思うけれど)。マーケティング的に注目したいのは、団塊世代がいよいよ65歳に達することだ(日本経済新聞2012年4月14日付朝刊13面)。


団塊世代が一気に引退して大変なことが起こる」話は5年前にもあった。60歳定年なら、2007年に団塊一期生が会社を大量に退職することになる。ところが実際には雇用延長や再雇用などの制度を利用して働く人も多かったようだ。その人たちが、いよいよ本格的にリタイアする。そこで何が起こるのか。どんなビジネスチャンスが見えてくるのか。


携帯端末&ネットチラシ&ネットスーパーが、一つあるのではないか。


このモデルがうまく行けば、端末機メーカー(サムソンとかLGとか)、通信キャリア、印刷会社、流通&物流企業が、みんな儲かるかもしれない。キーワードは『プロセスレス』、具体的には下記のような感じになる。



面倒な毎日の買い物が、これで超便利になる。高齢者が、そんなにネットを使うだろうかと心配する必要はない。いまどきの60代は、ネットをどんどん使う。電通総研の調査によれば「大都市(東京都区部を含む100万人以上の市)のネット利用率は全国平均を上回り(http://www.dentsu.co.jp/dii/)」60代で70.2%、70代で26.3%になるという。しかも、60代、70代共にネットへのアクセスはパソコンよりケータイを使う人のほうが多い。



ではiPadのような携帯端末ならどうか。これぞ、お年寄りのためのネット接続デバイスだ。パソコンより手軽に使えて、ケータイよりうんと使いやすい。画面も大きくて見やすい。iPadならたいていのお年寄りがマニュアルなしで使いこなせるようになるらしい。であるならば、その端末をタダで配ってしまえばよいではないか。


と考えるところがでてきてもおかしくはない。という話は以前のブログでも書いたとおり(http://d.hatena.ne.jp/atutake/20110216/1297783886)。これをもっと進化させたモデルがある。家庭にあらかじめプログラムを組み込んだアンドロイド端末を配る(プログラム改変ができないのがiPadの泣き所だ)。その端末は目覚ましがわりにも使えて、朝、目ざめたとき最初に目に入る画面には「今日のお買い得チラシ」が表示されている。


端末はネットにつながっているのだから、そのチラシを見て欲しい物があれば、ワンクリックで買えるようにすればいいわけだ。このモデルを展開するために、何が必要だろうか。


アンドロイド端末はある。ネットチラシもすでにある。ネットスーパーも展開するところが増えてきている。「そうは言っても、お年寄りのネットリテラシーはどうなの?」という心配は、まったくの杞憂だ。しかも5年後の60代は、今の60代よりもさらにリテラシーは高くなる。


「でも、最初にアンドロイド端末を無料で配らなければならないのは、コストが………」。このモデルに参加するみんなで共同負担すれば良いのではないでしょうか。しかも端末に毎朝表示するコンテンツは、チラシの他にいくらでも考えられる。端末がネットに繋がっているということは、こちらから何らかのデータ(お年寄りなら、どんなデータがありますか?)をどこかに(そのデータがビジネスになるところは?)送ることができる。


ということを早くやらないと「AからZまで」品ぞろえする企業が、唯一自社開発した携帯端末を使ってやってくるんじゃないだろうか。




昨日のI/O

In:
『日本語の作文技術』本多勝一
Out:
某取材原稿テープ起こし
近畿大学水産研究所原稿

昨日の稽古: