光モバイルとAmazon&Apple


約20年で速さは3万倍に


3.9世代、いわゆる「Xi(クロッシィ)」の通信速度は75Mbps。これに対して20年前の第2世代は、わずかに2.4Kbpsだった。携帯電話は「ムーアの法則」を上回る進化ぶりを見せた。その原動力となっているのは、通信に関するすさまじいばかりの技術革新だ。


そしてあと2年もすれば、また新たな革新が起こる。3.9世代のさらに13倍、第2世代から考えれば実に40万倍、遂にケータイが1Gbpsの世界に突入する。第4世代ケータイである。ここまで来るともはや手垢のついた「ケータイ」をつけることに違和感を覚えるので、これを「光モバイル」と呼びたい。では光モバイル時代には、どんな革命的な変化が起こるのだろうか。また、キープレイヤーは誰だろうか。



携帯電話がケータイ/スマホに進化したときには、その中核価値も変わった。これは以前のブログでご紹介したとおりだ。スマホが光モバイルに変わるときには、恐らく同時進行でもう一つ、大きな変化が起こる(正確には起こっている=完了形)。クラウドである。クラウドが本領を発揮するのは、高速回線が使える環境においてだ。いつでも、どこでも光ファイバー並みの通信回線が使える環境の下でこそ、クラウドは本格普及する。



そのとき端末は、シンクライアント化するのではないだろうか。データは言うまでもなく、アプリケーションも端末側にはほとんど持たない。仮にそうなるとすれば、端末のハードコストは大幅に下がる可能性が出てくる。コストが下がった分を、そのまま売価に反映させて端末を超低価格(無料の可能性もありうる)で配布する戦術があり、同時に現状のスマホや携帯端末並みの価格を維持し、その分高付加価値化(New iPadのような液晶を組み込むとか、折畳み式キーボードやスカイプを組み込むとか)を狙う戦略もある。


未来予測なので、気楽に好き勝手なことを考えてみる。


光モバイル時代のキープレイヤーといえば、すぐに2社が浮かんでくる。遂に昨日から(かどうかは定かではないが、前代未聞であることは間違いないはず)テレビCMを打ち出したAmazonが一つ。もう一つは、やはりAppleだ。


AmazonのCMを見られた方なら、その狙うところはすぐにわかったはず。いよいよロゴの矢印が示すようにAからZまで、すなわち地球上のありとあらゆるものをAmazonは、ネット販売する宣言をした。そう考えていいだろう。これを、つい先日ジェフ・ベゾスが、日本でも年内のキンドル発売宣言したことを結びつけて考えるのは強引すぎるだろうか。


キンドルデジタルサイネージ化が、Amazonの将来構想にきちんと位置づけられているように思える。デジタルサイネージ化とは、キンドルユーザー一人ひとりに最適化された情報のプッシュ配信だ。そんなことが実現すればどうなるか。アメリカでは「世界最大手、ウォルマートが倒れる日(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34987)」が語られ始めているようだ。日本に置き換えるなら、イオンやイトーヨーカドーAmazonに倒される日が来るのかもしれない。


AppleはAppleTVを核としたApple経済圏がより強化されるのではないか。Amazonの例にならうなら「NHKが倒れる日」が来る可能性がある。


これらはBtoCの領域での話だが、光モバイルは当然テザリング機能を備えているだろうから、ビジネスパーソンのワークスタイルも大きく変わるかもしれない。無理してフリーにならなくとも、流行りのノマドワークが当たり前になる時代が、もしかしたらすぐ目の前まで来ている。


光モバイル、なんかワクワクする。



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昨日のI/O

In:
『激安エアラインの時代』杉浦一機
Out:
某社IR原稿
大阪大学薬学部中川教授取材原稿
某フォーラムパネルディスカッションラフ原稿

昨日の稽古:

ジョグ20分・ストレッチ