スマホの普及は何を変えるか


普及率23.6%(ディツーコミュニケーションズ調べ:http://www.d2c.co.jp/news/2012/20120418-1340.html


スマホの普及率が16%を超えた。普及率16%とは、「イノベーター理論(1962年、アメリカの社会学者、エベレット・M・ロジャースが提唱)」で重視される臨界値のこと。ある新製品の普及率が16%を超えると、一気にブームが盛り上がり需要が急増する。



とはいえ、この調査結果に対しては、少し「?」を感じないこともない。なぜなら、すでに地下鉄に乗ってあたりを見回したときのスマホ普及体感率は、8割を超えているからだ。このあたりは、調査対象や地域による偏りがあるのかもしれない。いずれにしても、すでにケータイ各社のチラシや広告はスマホ一色といってもいい状態だ。もはやガラケーについては、新機種を買いたくてもなかなか買えないのが現状だろう。


では、もっとも身近なネット接続ツールが、ガラケーからスマホに変わると、何が起こるのだろうか? スマホガラケーをごく簡単に比較すると下図のようになる。



とりあえず画面が大きくなり、動画を普通に見ることが出来る時点で、スマホとは大きな差が出るだろう。ガラケーでもワンセグなど動画対応をアピールしていたタイプはあったけれど(結局、ワンセグってどれほどの人が見ていたのだろう?)、動画はスマホのほうが圧倒的に見やすい。これを受けて、すでにスマホ広告は、いわゆる『リッチ広告』へのシフトが始まっている。スマホの普及により、まったく新たな広告メディアが生まれる、と認識すべきだろう。


iPhoneの新機能「Siri」を活用した英会話スクールも登場したようだ(日経MJ新聞2012年5月2日付16面)。英語を正しく発音できれば、iPhoneがそれなりの返事をしてくれる。発音がおかしければ、応えてもらえない。なかなかユニークな英会話スクールではないか。


一方ではスマホを4PのPlace(流通経路)として活用する動きもある。ANAセールスでは、航空券と宿泊施設を自由に組み合わせて一括予約する「ダイナミックパッケージ」でスマートフォン対応を始めた(日経MJ新聞2012年5月4日付日経MJ新聞7面)。従来ならパソコンでやっていて予約を、スマホでできればより利便性は高まる。新幹線の予約も、ケータイよりスマホのほうがわかりやすく、パソコンよりスマホのほうが、使う場所を選ばない。


ケータイは24(時間)/365(日)/30(手元30センチ以内にある)メディアだったが、そのメディアが質的に大きく変化し、普及曲線上の臨界値も超えた。


このメディアをどう活用できるか。コンテンツ自身がProductになり、メディアとして活用すればPromotion展開がある。さらに、決済機能までを備えていることを踏まえるならPlaceともなりうる。スマホは店と考えていいのかもしれない。


あと、意外なビジネスとなりうるのが、アンドロイドユーザーに多い「スマホオンチ」へのサポートだろう。この先2年ぐらいのスパンで、以前ケータイの爆発的な普及によって引き起こされた大変化(これに比べれば、いくぶん小ぶりかもしれないけれど)が、再び起こる。そこにどんなビジネスチャンスを見いだせるだろうか。


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昨日のI/O

In:
Googleの正体』牧野武文
多田容子さん主宰「侍さろん」
Out:
某社IR原稿
某大学原稿

昨日の稽古:

ナンバ歩き