今度の選挙で考えたいこと。

何よりも、子どもたちの世代のことを考えてあげたい。


子どもたちに、これ以上、国債=借金を背負わせてはいけない。


例えば、国債をどんどん発行して公共工事をやればどうなるか。
新しく道路や橋やあれこれを作ることで、何か付加価値を生むのなら良い。
けれども、大前提として人口が減り続けることを忘れてはならない。
公共工事をやっても、一時的に土木業にお金が落ちるだけだ。
その後には、国債=借金を返さなければならない。
誰が返すのかを考えなければならない。


今あるインフラのほとんどすべてが
耐用年数を迎え始めていることも忘れてはならない。
上下水道管、ガス管みんな取替えなければならない。
高度成長期に建てられた構造物も
コンクリートの耐用年数が40年ぐらいであるとすれば
ほとんどが建て替え、もしくは何らかの対応が必要だ。
ここにお金が必要だ。


日本は高福祉/低負担でやってきた。
だから、いま高齢の方々は結構な額の年金を受け取っている。
でも、今のままだと子どもたちが高齢者になる頃には
年金なんてもらえない。
先日、ある65歳の方が言っていた。
「うちは87歳のおばあさんがいて、わしら夫婦も揃って
年金をもらっているから、年金だけで月40万円ぐらいになる」
これって、おかしいと思いませんか。


いま年金をもらっている方々は
勤めていた会社から、それなりの退職金をもらっている。
住む家も持っている。
でも、子どもたちが退職する頃
彼らに退職金を払える企業が
どれだけ日本に残っているのだろう。


しかも、これから高齢者が増えれば、要介護になる人も増えてくる。
10年後には介護をする人が250万人は必要だと試算されている。
けれども、介護職に就く人は増えていない。
なぜなら、介護職は給料が安いからだ。
さらにいえば、介護職は付加価値を産まない。
けれども絶対に必要な仕事だ。
だから介護離職者が増える。
40代半ば以降ぐらいで、企業にとって戦力になる人が
介護のために仕事をやめざるを得ない。
とすれば、彼らの代わりに介護をしてくれる人は、
付加価値を生むサポートをしていると考えられないか。


原子力問題も、子どもたちへの視点が必要だ。
使用済み燃料をどうするのか。
何らかの科学技術で解消できないのか。
今すぐ原発をやめることを経済的に考えるとどうなるのか。
火力発電で補えるとしても
二酸化炭素排出問題と、原油の安定供給問題
原油を輸入することによるコストの問題はどうなる?
仮に円安になったら、原油コストは一気に跳ね上がる。


だから自然エネルギーへの転換を、という話はあるけど
原子力発電の発電量や火力発電の発電量を
まかなえるようになるには、あと何年かかる?
そのためには、どんな技術的ブレイクスルーが必要なのか?


食料も同じだ。
円安になれば、輸入食材の価格は上がる。
そうなったときに輸入するだけのお金があるのだろうか。
食料を輸入しなくても済むようにするには、どうしたらいいのか。
単にTPPに反対とか、農家にお金をという話ではないはずだ。
そもそも、農業の新しい担い手を増やすためにはどうすればいい。
農業だけじゃない。
林業だって同じだ。
若い人が、なぜ林業に就けないのかを誰が考えているのだろう。


国を守る。
中国に対して、断固とした態度をとる。
アメリカにだって、押し付けられた憲法はやめなきゃならない。
威勢はいいけれど、それをしたときに確実に変化する国際バランスの中で
日本はどうやって生き延びていくのかを考えている人はいない。


中国に喧嘩を売るのも、アメリカに歯向かうのも
その先にどうするのかをきちんと考えていて説明してくれるのなら
どんどんやればいい。


でも、単なる人気取りで、あるいは日本を強い国にするためになどの
わけの分からない理由で無茶をやって失敗すればどうなるのか。
中国が日本に対する食料輸出を政治的判断で止めたらどうなるのか。


結局、すべては子どもたちの世代が担わされることになる。

目先の問題だけを説くのではなくて
子どもたちの世代のことを考えている政党はどこか。
そこを考えたいと思います。