何を、どう書けば伝わるのか


物書きをめざしてきた


中学生の頃、堀辰雄の小説を読んで、作家の生活に憧れた(というエントリーを、去年の3月に書いた)。それ以来、物書きとして生きていければいいな、などと思って暮らしてきた。


思いは叶うという。とりあえず「今、お仕事は何をされていますか」とたずねられたら、ライターと答えることになる。書くことによって暮らしを成り立たせているのは間違いないから。


ただし残念ながら、自分の創造力を自由に羽ばたかせて書く作家ではないけれど。それでも、毎日毎日、原稿用紙20枚ぐらいは書き続けている(おかげで何とか食っている)。


書く時に心がけているのは、とにかくわかり易い文章に仕立てること。だから、どんな人が読むのかを考えることが、優先順位の最上位に来る。理科が好きな小学生に向けて書く文章と、たまたま超電導のことを仕事の都合上調べなければならなくなったビジネスパーソンに説明する文章は違う。


使うべき用語が違い、文体も異なって然り。筋道の説明の仕方も変わってくる。もちろん文章の長さも一律というわけにはいかない。文章の構成も起承転結ばかりが正解とは限らない。意表をついた書き出しが求められるケースもある。


推敲を重ねた上で、良かれと思って提出した原稿に対して「全然、意図と違うのですが………」と、厳しいコメントが付いたメールが返ってくることも当然ある。そういう時は「すぐに直します」とがんばるのみ。とにかく編集長なり発注者なりに受け入れてもらわない限り、仕事は成立しないのだ。


という心構えで書いているのだけれど。うまくなんないのですね、これが。ちっとも。もう、イヤンなるぐらい。


昨日もある人へのメッセージを書いて送ったのはいいけれど、朝起きて読み返してみて、びっくりした。なんとも素っ気ないというか、取りようによっては「この人、私になんか腹立ててるのか」と誤解されかねないテキストになっている。


もちろん、そんなつもりは、まったくない。意図するところは、完全に逆である。こうこう、こういうことをお伝えしたいのです、と思いながら書いたつもりなのに………。


なぜ、そんなことになってしまうのか。


伝えたいなら
伝わるように
伝えるべきだ


これをモットーにするといいながら、まったくできていない自分に唖然とするばかりの年始めでした。


あなたが書く文章の先には、何も知らない私がいて、その私を元気にしたり、賢くするためと思って書いてください。そんなふうに諭してくれる人もいた。これを忘れないように、書くことと、もっと、きちんと向かい合うようにしよう。と改めて思いました。


昨日のI/O

In:
B2Bブランディング』余田拓郎+首藤明敏
Out:
東大寺管長・取材テープ起こし
某ストーリー原稿

昨日の稽古:

加圧ジョギング3キロ
腹筋・背筋・レスラープッシュアップ・指立て・スクワット