54歳にして本来の皮膚を取り戻す


]


50代では75日


細胞が生まれ変わるまでの周期らしい。ちなみに10代なら約20日、20代なら28日、30代となると40日………。早い話が、歳を取るほど新陳代謝が衰えるということ。これも老化の一種ということなのだろう。仕方のないことだ。


さて、石けんである。


これまで体を洗うといえば、ひたすら『アカスリ』に励んでいた。ナイロン製のゴシゴシタオル(と勝手に呼んでいるが、要するにザラザラしていて、いかにも体の垢を取り去ってくれそうなタオルである)を使い、ビオレをたっぷり含ませて体を洗う。より正確に表現するなら、指先にタオルをのせて、体をこする。


ていねいにこすり倒す。洗った後は、こすった指の跡で体のあちらこちらに赤い線が付くほど徹底的にこそげ落とす。そんな体の洗い方をしていた。もちろん、ヒリヒリする。でも、それがある種の快感となっていたのだ。


ただ、どうにも体が痒いのである。あちらこちらがカサカサするのである。特に手の肘などは年中アカギレのような状態で、ガサついている。歳を重ねるほどに、肌もガサつくのだなと諦めていた。これが老化であり、要するに年をとったというこなのだと。まあ、男だし、別に今さらお肌がツルツルになりたいとも思わないし、そんなもんじゃないのという、ある種の諦念である。


ところが、ある人から言われたのだ。
「あなた、根本的かつ致命的に間違っていますよ」と。
「あなたのやり方は、体を洗っているのではなく、ただ痛めつけているだけです」と。
「だまされたと思って、この石鹸を使って、ナイロンタオルなど使わず、手のひらでなでるようにしてください」と。


手のひらでなでるだけで、男の体の脂が取れるはずもない。しかも、この石けんはビオレと違い、そんなに泡立たないではないか。泡立たず、こすらずで体を洗ったといえるのか。顔を洗うのには、スクラブを使っていて、ほんとなら体もスクラブで洗いたいぐらいなのだ。頼りないこと甚だしい。


と思ったが、まあ、ものは試しである。一度だけ、言われたとおりにやってみた。驚いた。


もちろん、ゴシゴシやった後のような爽快感はない。ないのだが、洗った後の肌の感触が違う。なんと言えばよいか。例えば二の腕をなでると、肌触りがやさしい。明らかに以前と違う。おもしろい。石けん一つで、こんなに変わるのか。


二ヶ月ほど続けてみた。すると肘のガサガサが消えた。これまで、体のあちこちで感じた痒みがなくなった。毎日一度、体を撫でているだけなのに、不思議である。それでも汚れはしっかり落ちているようだ。


不思議な石けんである。


しょうが百花(マルセイユせっけん)』。これが『しょうが』の力なのだという。オリーブオイルなど天然成分だけで作られているからなのだという。手作り無添加石鹸。つまり化学的に合成された成分が入っていないからなのだという。


皮膚本来の力を取り戻してくれる石けん。体の正しい洗い方を、54歳にして初めて知った。そして50代でも細胞は、75日周期できちんと生まれ変わっていること、新しく生まれた細胞は、それなりにみずみずしいものであることを実感した。


一体、今まで使っていた石けんとか、体の荒い方(変換ミスだけれど、妙にピッタリはまる感じ=漢字なので、そのまま使う)は何だったんだろう。


昨日のI/O

In:
某ビジネス専門学校取材
Out:
医学会総会PR用原稿

昨日の稽古:

ジョギング、筋トレ