今に集中する
昨年は200回走った
なぜ、そんなに走るのかと考えた末に、たどり着いた答えが脳内麻薬物質だった。β-エンドルフィンとドーパミン、セロトニンの仕業である。これらはいずれも、体を動かすことで、脳内に自然に分泌されるホルモンだ。もちろん違法ではなく、極めて合法である。
合法とはいえ「麻薬」カテゴリーに分類されるだけあって、多幸感をもたらしてくれるのだろう。走っていると自然に気持ちよくなる。だから走る。つまり「健康のため」に走るのではなく、「やせるため」でもない。一応、京都マラソンに出ることになっているけれど、「マラソンを完走するため」ということもない。
ただただ単純に走っているだけで、その時間が気持ち良いから走るのだ。そんなことを考えているうちに、「◯◯のため」に何かをすることに対して疑問を持つようになった。
問:仕事をするのは何のため?
✕:お金を稼ぐため
◯:仕事をするのが楽しいから
問:取材をするのは何のため?
✕:原稿を書くため
◯:人の話を聞くのが楽しいから
問:誰かと食事を共にするのは何のため?
✕:接待などで関係性を良くするため
◯:その人と過ごす時間が楽しいから
「お金を稼ぐために」仕事をするのではなく、「原稿を書くために」取材をするのでもない。「クライアントを接待するために」食事するのでもない。と考えれば、これは一期一会の考え方に通じるのではないか。
つまり、いま行っている活動をできるのは、一生に一度きりである。だから、そのことに集中して、それだけを楽しむ。「きちんと、その場にいる」。そんな心構えで日々を過ごすことができれば、毎日を楽しく生きることができる。
そんなことを思うようになったのは、無駄にできる時間の残り少なくなってきていることを意識するようになったからかもしれない。