ターゲットイメージは鮮明か


地味な稽古をずっと続ける。がんばって、がまんしてやっているうちに
フッと抜けることがある。まるで階段を二、三段ほど一度に上がるよう
に。気が付くと次のレベルへとステップアップしている。


これがいわゆる「化ける」ということ。何でもそうなんだろうけど、天
才じゃない限り、短期間に一足飛びに上達することはまずない。最初の
間は三ヶ月ぐらいでうまくなるんだけど、だんだん時間がかかるように
なってくる。


ただし、ここがポイント。自分のゴールをはっきり持っているかどうか
で、たぶん次のステップに達するまでの時間が変わってくる。


やるからには誰だってうまくなりたいとか、強くなりたいは思っている
だろう。では、最終的にどこまで行きたいのか。まさか今から全日本大
会とかに出て、チャンピオンになりたいとは思わない。何とか黒帯を取
りたいというのが個人的な目標だ。そのためには、どんな稽古をすれば
いいのか。


もちろん心技体をバランスよく鍛えることが大切。ただし自分の年を考
えれば、体力については現状維持、よくて微増ぐらい。技はバリエーショ
ンを増やすことと、その中で自分なりの得意技(というかパターン)を
十個ぐらい持つことか。心を強くすることもわすれちゃならない。最近
そう思えるようになってきた。


では、当面のゴールについてどんなイメージを持てばいいのか。


実は、この1年ぐらいまったく進歩していないのだが、その原因によう
やく思い当たった。ゴールとすべきイメージを間違っていたのだ。勘違
いもいいところだった。


「全盛期の松井章圭みたいに」なんてね、かなりおバカ。


体格が違う、体力が違う、反射神経が違う、賭けるものが違う、年齢が
違う、キャリアが違う、顔も違う、考え方も違う。何もかもが違う。な
のに松井章圭のビデオをそれこそすり切れるほど見ては、あんな風にな
りたいなぁ、かっちょいいよなぁ、なんて思っていたわけ。相当に抜け
てますね、我ながら。


彼の技のエッセンスを学ぶのは良い。そのための練習方法を見ることも
参考になるだろう。組み手の中での相手との駆け引きも役に立つはずだ。


だが、しかし。どうがんばっても蹴り足を戻さずに上段を、三発も連続
で蹴ることはできない。そんなことやろうとしても、冗談蹴りにしかな
らへん。相手に見えないぐらいの早さでの後ろ回し…。そんなマネした
日にゃぁ回ってる間に背中どつかれるっちゅうねん。


現状の自分とあまりにもかけ離れたイメージを頭に置いて、日々のスパー
リングに臨んでいたって、そりゃ進歩しませんて。


そうじゃなくて、身近にいる先輩、自分よりうまい人を、まず目前のイ
メージとして持つべきなのだ。そうした目で人を見れば、その人の優れ
たところがわかるはずだ。その姿は松井章圭よりはずっと実現可能性の
高いイメージゴールになる。


そのゴールを短期の目的として、しっかり持つこと。プラス半年とか一
年ぐらい先のゴールになるイメージモデルも見つけておく。そんな地道
な取り組みが、結局は化けるコツではないのか。と気づきました。






本日の稽古:

  砂袋:突き100本、蹴り100本
  腕立て、腹筋、ダンベルカール
極真空手 組手の達人 [VHS]