オヤジとオッサンはどこが違うのか


100万人、ゼンマイオヤジに断言!! だそうだ。


時計選びは「オタク」で「お洒落」らしい。頭痛い。ゼンマイオヤジと
は、時計に凝るオヤジのこと。何のために時計に凝るのかといえば、モ
テるためである。


ほんなら、ええ時計してたらモテるんかあ。おかしいやろ、そんなん。
ありえへんやろ、絶対に。百歩譲って、高い時計を買えばモテるんやっ
たら、金で買ってるのと同じやんけ。


と、ここでフト、大藪春彦先生の名言を思い出した。
「世の中のものなど、たいてい金で買える。金で買えないものに、ろく
なものはない」。うろ覚えで申し訳ないんだけど、確かこんなセリフ。
言ったのは伊達邦彦か、北野晶夫だな。ということは『野獣死すべし
か『汚れた英雄』だな、たぶん。


なるほど、オヤジの正体が見えてきた。あるいはオッサンとの違いといっ
てもいいだろう。オヤジは小金持ちじゃないとダメなのだ。ここが金を
持っていないオッサンとの違いである。性別(はもちろんだけど)、年
齢、基本的肉体(要するに一皮むいたらってことですね)に、オヤジと
オッサンの差はないのだ。


さらに突っ込むなら、本当のお金持ち(なんているのかね、日本に。と
もかく、これはノブリス・オブリージェを理解する人たちとお考えくだ
さい)は、そもそもオヤジ的品性は、まったく持ち合わせていないはず
だ。


と考えると、さらにオヤジの正体が明らかになる。要するに、プチ『成
り上がり』なのだ。なんで成り上がったのかはともかく、もともと普通
の人だったのが、何かのキッカケでちょっとした小金を持つようになり、
それを自慢したくてたまんないとか、小金をうまく使って女の子と××
したいってのが、オヤジなんである。


なるほどな『LEON』。やっぱり、すごいなぁ。日本人の意識改革を
してるなぁ、この雑誌。ここまで書いてきた『オヤジ的品性』は、おそ
らく戦前までの日本人にはまったく理解できないだろう。というか、戦
後生まれの我々でも、親の世代が戦前生まれだったりすると、ちょっと
異質な感覚だ。


でも、オヤジでいいじゃん。うまくやって手に入れた金を好きなように
使って何が悪いのん? という世代の心を見事に開花させたんじゃない
か。ま、これは世代論では、もう語れないんだろうけど。


そんな『オヤジ』になるんだったら、『オッサン』の方がいいかなぁ。
そういえば、一昔前は『オジサマ』なんて呼び方もあったなぁ。いまど
き、もしかしたら『オジサマ』の方が新鮮なんじゃないか、などとオヤ
ジに刺激された妄想が、またふくらんでしまったのだった。







本日の稽古:

  今日から合宿ですね

野獣死すべし (光文社文庫―伊達邦彦全集)

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