ナンバと軸


回転しての移動稽古はバロメーターになる。


突きの場合なら、背中から半回転。蹴りなら同じく一回転。前屈立ちか
ら回転し、構えを決めてから突き・蹴りを出す。これがなかなか難しい。
というか下半身に力があって、体全体のバランスが取れているときは、
まだうまく回れる。


しかしスクワットをサボっていたり、体調不良のときは、それがてきめ
んに出る。調子によっては、まともに回りきれない。何とか回れても、
構えがまったく決まらない。


うまく回るコツは、動く前に後ろをしっかり見ること。これで意識が回
ることに集中される。そして、軸足はつま先で一気に。さらにここから
先は勝手な推測なのだが、体を一枚のドアの様に意識することじゃない
かと最近思っている。


これはナンバ歩きの応用だ。ナンバ歩きとは右手・右足、左手・左足を
一緒に前に出す歩き方。体をひねらずに、骨盤を意識して歩く。去年あ
たりからの古武術ブーム(かな?)で注目を集めている。


ちなみに、この歩き方を意識するようになって一年弱たつが、稽古では
あまり目立った成果は出ていないようだ。しかし、二回行った山歩きで
は、ほぼ一日歩いたにもかかわらずまったく疲れなかった。だから、お
そらく無駄な動きがないのだろうと思っている。


少し話がずれたが、回転のときは軸足側を一本の棒とイメージして、体
全体をドアを回すような感じがいいと思っている。この体を、特に骨盤
の部分を一枚の板のようなイメージでの移動をいまは意識している。


このイメージで突きを考えるなら、メインとなるのは追い突きだ。板の
(=骨盤の)片側に軸があって、反対側が前へ出て行く。その先に拳が
ある、といった感じか。前蹴りも同じ。回し蹴りも、これはまだ全然、
感じがつかめていないけれども、同じじゃないんだろうか。