コンビニも30年で廃れるのか


7兆3165億円


これは2004年度のコンビニチェーンの総売上高。17年連続で前年
対比増となっている(日経新聞11月24日)。日本経済新聞社の調査
によれば、総店舗数は4万2046。


単純計算すれば1店舗あたりの年間売上1億7400万円。日商にして
47万円ぐらいになる。ちなみに日本の小売り総額が02年度のデータ
で135兆円。これからみれば、コンビニのシェアはまだ5%程度に過
ぎない。


そこでコンビニはまだまだ成長の余地があると見るか。あるいは、そろ
そろ頭打ちに来ていると読むか。


興味深いデータがある。既存店ベースの売上高推移だ。これが実に15
ヶ月連続でマイナスが続いているという。ちなみに元祖コンビニともい
えるセブン・イレブンが創業してから、今年で32年目。その15ヶ月
前といえば創業30年になる。


企業30年寿命説は、コンビニにも当てはまるのだろうか。


コンビニを見ていると、各社が必死に変革に取り組んでいることがわか
る。たとえば、つい最近話題となったセブンでのドリンクなどの割引販
売。コンビニといえば定価販売(といってもコンビニ利用者は定価かど
うかなんてそれほど気にしていなかったはずだが)の常識を、業界リー
ダーが崩した。


価格に関しては、100円ショップ形態も取り入れている。価格競争が
シビアになっていくのは、市場ライフサイクルで考えれば成長期の特長
である。市場全体が伸びていることもあわせてみれば、まだまだ成長期
という見方もあるだろう。


しかし、一方では既存店の売上が連続してマイナスになっている。これ
は明らかに成長鈍化の兆しだと思う。この傾向はショップオーナーにと
っては心理的に非常に厳しいはずだ。


この先、コンビニがどうなっていくのか。小売りの一業態として確立し
ているから、一挙にコンビニがなくなることはまずないだろう。しかし
エリアによっては、淘汰が進む可能性がある。そうしたリスクを読んで、
もっとも活発に新しい動きを展開しているのが、やはり業界トップのセ
ブン・イレブン。


Yahoo!の競売サイトとの提携、ご用聞きサービスの導入など従来のコン
ビニの概念を変える動きをしている。セブングループの特長は、情報武
装が他のコンビニチェーンとはまったく違う次元にまで進められている
こと。セブンの動きは要注意だろう。


コンビニを一つのメディアと考えれば、どんな展開になるのか。そんな
ことを考えているのじゃないだろうか。



昨日のI/O

In:
『隠されていた空手』
『本が崩れる/草森紳一
Out:
I社会社案内コピー原稿最終稿



昨日の稽古: